1999 Fiscal Year Annual Research Report
FKBPファミリーイソメラーゼとその関連分子による心筋特性および遺伝子発現の調節
Project/Area Number |
11877115
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横田 充弘 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50201851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 隆久 名古屋大学, 医学部, 助手 (00303644)
長坂 徹郎 名古屋大学, 医学部, 講師 (40262894)
岩瀬 三紀 名古屋大学, 医学部, 助教授 (20303646)
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Keywords | FKBPファミリー / ANX6 / スタウロスポリン / FK506 / FKBP12 / イソメラーゼ活性 / PKC活性 |
Research Abstract |
FKBPファミリーの遺伝子としてヒトcDNAライブラリーより全長3Kbの新規の遺伝子配列を得た。この核酸配列から想定されるアミノ酸配列は部分的にフォスフォリパーゼのファミリーや細菌類のオートリジンに類似した構造を有した。また、ヒト心筋生検により得られた心筋由来のRNAのRT-PCR産物としても同一の核酸配列が得られたことから、実際にヒト心臓にもこの新種のFKBPブァミリー遺伝子が発現することが確認された。さらに、ANX6-FKBP12複合体をモデルとして蛋白分子の細胞核移行の機構を検討した。PMAにより増殖させた培養心筋細胞では、ANX6はG2-M期に核内へ移行した。免疫共沈では、抗ANX6抗体によりFKBP12とともに全長ANX6(68KD)とその断片(48KD)が、抗FKBP12抗体により、全長ANX6とリン酸化されたANX6断片(20KD)およびFKBP12が沈降された。また、ANX6のリン酸化と核移行、細胞分裂は、PKC阻害剤であるスタウロスポリンやFK506によって阻害された。以上よりANX6の核移行にはFKBP12のイソメラーゼ活性とPKC活性の両者とプロテアーゼによる処理が要求されると思われた。小胞体をへて核に取り込まれるANX6の48KDフラグメントにはPKGKVYRのアミノ酸配列がみられ、クラシカルなSV40-T抗原の核移行シグナルであるPKKKRKVと相同性が高かった。持続的にSV40-T抗原が発現されるCos7細胞モデルとした時、SV40-Tの小胞体-核移行と細胞増殖はスタウロスポリンやFK506によって阻害された。よって、本研究では、FKBP12とPKCの両者が協調して普遍的に分子核移行に関与することが明らかにされた。興味深いことに、我々が同定した新種のFKBP結合蛋白もPKGKEEVというANX6やSV40-T抗原の核移行シグナルと相似配列を有した。
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Research Products
(1 results)