2000 Fiscal Year Annual Research Report
FKBPファミリーイソメラーゼとその関連分子による心筋特性および遺伝子発現の調節
Project/Area Number |
11877115
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横田 充弘 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50201851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 隆久 名古屋大学, 医学部, 助手 (00303644)
長坂 徹郎 名古屋大学, 医学部, 助教授 (40262894)
岩瀬 三紀 名古屋大学, 医学部, 助教授 (20303646)
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Keywords | FKBPファミリー / ANX6 / スタウロスポリン / FK506 / FKBP12 / イソメラーゼ活性 / PKC活性 |
Research Abstract |
本年度は、脊椎動物におけるFKBP12と複合体を形成する分子の遺伝子クローニングが進展した。鶏胚の心臓ホモジェネートを素材として、FKBP12とともに免疫沈降される蛋白質を分画した。分画中の1バンド(FKpt1)についてN末端からのアミノ酸配列から推定される核酸配列をもとに合成したヌクレオチドプローブをもちいて、チキンcDNAライブラリーを探索した。さらには、ヒト胎児の心筋、脳やヘラ細胞のcDNAライブラリーやゲノムライブラリーを利用してこの遺伝子のヒトホモローグの遺伝子配列を決定し、マウス、チキンとの間でこの遺伝子の特徴を検討した。得られた遺伝子ファミリーはアクチンに接合するPDZ領域を有し、データベース検索によれば、マウスにおいてこの遺伝子の相同体(シュルーム)が報告されている。このシュルームはジーントラップ法によって同定された遺伝子であり、シュルームの機能不全は致死的であり、神経管の閉鎖障害、心室中隔欠損に代表されるmidline fusion defectが誘発されること、アクチンフィラメントの形成不全などが報告されている。一方、FKBP12のノックアウトでも、神経管の閉鎖不全と心室中隔欠損が惹起され、この発症期序がカルシニューリンからNFATに至る系などでは説明しづらい。このことから、FKBP12とFKpt1の機能は、脊椎動物の正常な発育に必須であると思われる。また、我々がクローンしたヒトホモローグは、第4染色体の長腕16領域にマップされ、データベース解析によれば、300KBにもおよぶ長イントロンとイントロン内に異なる遺伝子を包含する構造を呈し、cDNAは6.5kB、推定されるアミノ酸残基数は1983個であった。この遺伝子の転写産物は、ヒトおよびチキンの心臓で明瞭な発現をしめし、心臓の形質発現や生理機能に関与することが考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Masafumi Koide, et al.: "FKBP12 and protein kinase C (PKC) coordinate the nuclear signaling of annexin 6 in the mitotic cardiomyocytes"Circulation. 100suppl.. I-353-I-353 (1999)
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[Publications] Koji Obata, et al.: "Role of an Immunophilin FK506-binding protein 12 in the Cardiac Development of Chick Embryos"Biochemical and Biophysical Research Communications. (in print). (2001)