2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11877127
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牛島 廣治 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10091068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 哲也 国立感染症研究所, 安全性研究部, 主任研究官(研究職) (50176690)
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Keywords | ワクチン / ロタウイルス / アデノウイルス / カリシウイルス / アストロウイルス |
Research Abstract |
インフルエンザウイルスの経鼻ワクチン研究が進んでいる。ここでは下痢症ウイルス(ロタウイルス、アデノウイルス、アストロウイルス、カリシウイルス)のマルチ経鼻ワクチンの開発を目途とした。まず各ウイルスの代表株で培養可能なロタウイルス、アデノウイルスは細胞培養で増やした。アストロウイルスは培養とともに合成ペプチドを作製した。カリシウイルスは培養できないために組換え技術で中空ウイルスを作製した。各ウイルス蛋白をマウスあるいは家兎を用い、皮下・経口・経鼻の接種を試みた。家兎の皮下接種では、アデノウイルスでは抗体の上昇がそれ程ではなかったが、他のウイルスでは抗体の上昇が見られた。経口接種では比較的良く抗体の上昇を見た。経鼻接種は現在続行中である。マウスを用いたロタウイルスでは不活化ウイルスをチャレンジした後に生ウイルスを経口接種すると下痢を減少できた。また母乳を用いた受身免疫はウイルスの経口接種で下痢を防御した。しかし、ヒトアストロウイルス、ヒトカリシウイルスは下痢をしめす動物モデルが存在しないため行えなかった。ただ抗体の上昇を認めることができた。また糞便中のウイルスゲノムを遺伝子増幅法でも見出すことができた。現在、動物のウイルスを用いての接種を検討中である。アジュバントの種類については今後検討する必要があった。我々の臨床経験では、アストロウイルス、カリシウイルスの同時感染においても、単独の場合と抗体の上昇、下痢の排泄期間にほとんど変わりはなかった。萌芽的研究の基盤研究は可能となり、今後とも研究を続けて行く必要が感じられた。インフルエンザが診断法、予防法、治療法が確立されてきている昨今、下痢症ウイルスのこれらの研究の必要性が考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kudo S, et al.: "Molecular characterization in the VP7, VP4 and NSP4 genes of human rotavirus serotype 4(G4) isolated in Japan and Kenya"Microbiology and Immunology. 45・2. 167-171 (2001)
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[Publications] Abe T, et al.: "Infantile convulsions with mild gastroenteritis."Brain and Development. 22・5. 301-306 (2000)
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[Publications] Gu Y, et al.: "Development of antirotavirus agents in Asia."Pediatrics International. 42・4. 440-447 (2000)
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[Publications] Kohne H, et al.: "Development of a simple and rapid latex test for rotavirus in stool."Pediatrics International. 42・4. 395-400 (2000)
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[Publications] 神野英毅 他: "バイオ医療品・ワクチンの開発の現状と将来展望"バイオクリニカ. 15・8. 72-77 (2000)
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[Publications] 石田真一 他: "ロタウイルスワクチン"小児科診療. 63・7. 1045-1049 (2000)