2000 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽細胞腫の骨転移メカニズム解明のための基礎的研究
Project/Area Number |
11877132
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
有本 晃子 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80305581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家原 知子 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20285266)
細井 創 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20238744)
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Keywords | 神経芽細胞腫 / 骨転移 / IL-1β / Cathepsin K |
Research Abstract |
腫瘍細胞が骨内に浸潤していくときに骨の構成蛋白を局部的に分解するproteaseの作用が必須である。protease分泌には次の2通りの経路が考えられる。(1)腫瘍細胞が破骨細胞刺激因子(osteoclast activating factor:OAF)を分泌し破骨細胞を活性化してprotease分泌を行う。(2)腫瘍細胞自身がproteaseを分泌して骨有機基質の分解、吸収を行う。これらの2通りの経路を神経芽細胞腫細胞株と神経芽細胞腫臨床検体を使ってmRNAと蛋白の発現をRT-PCR法、Southtern blot法で検討した。(1)に関して破骨細胞を活性化するOAFの代表的なものにIL-1β、TNF-α、TNF-βがあり、(2)に関してシステインプロテアーゼ(cathepsin K、cathepsin L)、メタロプロテアーゼ(MMP-9)などを神経芽細胞腫株9種類でRT-PCR法を用いてmRNAの発現を確認した。 結果 (1)の代表的なものとしてIL-1β、TNFα、(2)の代表的なものとしてcathepsin KのmRNAの発現を検討した。9種類中4種類の細胞株でIL-1β、TNFαの発現を確認した。システインプロテアーゼ関しては9種類の細胞株すべてで発現しているものはなかった。この結果から神経芽細胞腫が骨に浸潤していく経路としては腫瘍細胞が破骨細胞を活性化して骨破壊を行っていく経路が有力と思われる。現在、Southtern blot法で蛋白の発現を検討しているところである。
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