1999 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイン酸と、神経細胞死誘導性抗APP抗体を併用した神経芽細胞腫の萌芽的治療
Project/Area Number |
11877133
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西本 育夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80180652)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 修二 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70296721)
松岡 正明 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (70222297)
|
Keywords | APP / ヒト神経芽細胞腫株 / モノクローナル抗体 / レチノイン酸 / 細胞死 |
Research Abstract |
(1)抗APPモノクローナルの作成 APP細胞外ドメインをコードするcDNAを用いて、大腸菌でGST-APPを発現させた。アフィニテイ精製したGST-APPを抗原にして、型のごとく、マウスに免疫した。抗体の出現後、取り出したマウス脾細胞とP3-X63Ag8形質細胞をフューズさせ、ハイブリドーマを作成した。分泌される抗体の性質をF11神経細胞にアポトーシス誘導能で選別し、5クローンを最終的に採取した。 (2)ヒト神経芽細胞腫株に対するモノクローナル抗体の殺細胞死効果の検討 いくつかの細胞株にまず抗Alz90抗体を処理して、トリパンブルー法で効果をみた。その結果、典型的な例として、以下の2細胞株が得られた。SH-SY5Y細胞株では細胞死が誘導されたが、N1E115細胞では誘導されなかった。同時にAPPの発現をウエスタン法でチェックしたところ、前者にはAPPの発現がみられたが、後者にはみられなかった。この結果は我々の予測と完全に合致している。 (3)レチノイン酸処理によるAPP発現誘導及び細胞死効果の誘導 N1E115細胞にレチノイン酸(RA)を10mM、8日間処理するプロトコール等でAPP発現誘導を試みているが、現在のところ十分なAPP発現を誘導できていない。その他の分化誘導剤の併用等を加味した新たなプロトコールを検討中である。
|