1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト羊膜細胞をキャリアーとする酵素欠損症に対する遺伝子導入細胞移植治療の検討
Project/Area Number |
11877135
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
右田 真 日本医科大学, 医学部, 助手 (50256963)
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Keywords | 羊膜細胞 / Gaucher病 / 異染性白質ジストロフィー / 遺伝子導入 / 細胞移植治療 |
Research Abstract |
今日、ゴーシェ病や異染性白質ジストロフィーなどの先天性酵素欠損症に対する治療は、骨髄移植、酵素補充療法などが試みられているものの、いまだ確立されていない。ヒト羊膜は発生学的には外、中、内胚葉に分化する以前の胎生8日目に胚盤葉上層より生じ、免疫学的にも幼弱であり同種移植により急性拒絶反応を惹起しない組織である。本研究はヒト羊膜細胞に治療遺伝子を導入し(遺伝子治療)、欠損酵素の産生能を高めた細胞を同種移植する(細胞移植治療)ものであり、ゴーシェ病、異染性白質ジストロフィーなどの多くの酵素欠損症の新たな治療法と考えられる。昨年、我々は治療用遺伝子としてGaucher病の責任遺伝子ArylsulfataseAcDNA(ASA)、マーカー遺伝子としてGreen fuluorescent protein(GFP)を有する2種類のレトロウィルスベクターを作製した。 これらのウィルスベクターを用いてヒト羊膜細胞に遺伝子導入が可能であることを確認した。さらに遺伝子導入した羊膜細胞をラットの脳に定位的移植術を行い中枢神経系での遺伝子の発現を確認した。
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