1999 Fiscal Year Annual Research Report
スルファメトキサゾル・トリメトプリム合剤の作用機序の解析
Project/Area Number |
11877136
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
小林 陽之助 関西医科大学, 医学部, 教授 (50034062)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 亨 関西医科大学, 医学部, 助手 (20288830)
蓮井 正史 関西医科大学, 医学部, 助手 (50309241)
|
Keywords | 慢性肉芽腫症 / 一酸化窒素 / ST合剤 / 好中球 / diaminofluoresceins-2(DAF-2) |
Research Abstract |
スルファメトキサゾル(S)・トリメトプリル(T)合剤(ST合剤)は細菌の葉酸代謝を二段階にわたって阻害することにより抗菌作用を発揮するといわれている。しかし好中球機能異常症の代表的な疾患である慢性肉芽腫症での有効性の機序は、単に葉酸代謝阻害だけで説明できるものではなさそうである。今回我々はdiaminofluoresceins-2(DAF-2)を用いて好中球中の一酸化窒素(Nitric Oxide、以下NOと略)を直接検出し、ST合剤により好中球中のNOの産生が亢進するか否か検討した。 【対象と方法】健康成人のヘパリン加静脈血15mlを採取した。全血1mlにリポポリサッカライド(LPS)、スルファメトキサゾル・トリメトプリル合剤(S:1000μg、T:200μg)とを加え、またインターフェロン(INF)-γを加えた群と加えない群とを準備した。2時間培養後にDAF-2を10μM添加、さらに1時間培養、溶血処理をしてflow cytometerで解析した。 【結果】LPS、INF-γ、ST合剤を加えた群とLPSとST合剤を加えた群は対象と比較してNO産生量は1.27倍増加した。LPSとINF-γとを加えた群では同様に1.23倍、またLPS単独群では1.35倍増加した。 【考察】今回の実験ではLPSを単独に加えた群とST合剤を加えた群とでは、好中球のNO産生量にほとんど差はなかった。今後ST合剤の投与量をさらに増加することや培養の時間を延長して好中球が産生するNO産生量に変化がないか検討する予定である。
|
-
[Publications] Hayakawa H,Kanegasaki S,Kobayashi K,Kobayashi Y et al: "Chronic granulomatatous disease in Japan: Incidence and natural history"Pediatrics International. 41(5). 589-593 (1999)
-
[Publications] Taniuchi S et al: "Dizygotic twin sisters with myelokathexis:Mechanism of its neutropenia"American Journal of Hematology. 62. 106-111 (1999)
-
[Publications] Taniuchi S et al: "Heterogeneity in F-actin polymerization of cord . . ."Pediteics International. 41(1). 37-41 (1999)
-
[Publications] Taniuchi S et al: "Possible eosinophilic pnumonia from Alternaria"Allergology International. 48. 79-83 (1999)