2000 Fiscal Year Annual Research Report
ホルモン遺伝子を表皮細胞に導入することによるホルモンの全身への供給
Project/Area Number |
11877139
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中野 創 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (90281922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今 淳 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (60271798)
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Keywords | 遺伝子治療 / 遺伝子 / ホルモン / cDNA / クローニング / 表皮細胞 / insulin-like growth factor / growth hormone |
Research Abstract |
遺伝子治療は,細胞に新たに遺伝子を導入したり細胞にある遺伝子を操作することにより治療効果を得る治療法で,有効な治療法のない疾患に対する新しい治療法として期待されている。申請者らは,抗炎症性のサイトカインであるinterleukin(IL)-10の遺伝子を表皮細胞に導入し強発現させると,IL-10が血中に移行し全身に分配されることを見出した。そこで,表皮細胞にホルモン遺伝子を導入し,そこからホルモンを全身性に分配する可能性を検討した。 種々のホルモンcDNAの翻訳領域をPCRにて増幅できるオリゴヌクレオチドプライマーを合成した。ホルモンとしては,insulin-like growth factor (IGF),growth hormone, erythropoietinを選択した。この中でIGFなどは実際に表皮細胞で産生されている。次に,これらを産生するラットやヒトの細胞からRNAを抽出し,オリゴd(T)プライマーと逆転写酵素を用いてcDNAを合成した。さらにそれらのcDNAを鋳型として,PCRを行いそれぞれのホルモンのcDNAをクローニングした。塩基配列を確かめた所,IGF,growth hormone, erythropoietinの配列に一致した。その後,これらcDNAを発現ベクターにsubcloningし,おのおのをラットあるいはヒト表皮角化細胞由来培養細胞に導入した。それらの発現を免疫組織学的に検討したところ,対照に比較して,各ホルモンの有意な発現が観察された。
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