2001 Fiscal Year Annual Research Report
ホルモン遺伝子を表皮細胞に導入することによるホルモンの全身への供給
Project/Area Number |
11877139
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中野 創 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (90281922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今 淳 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (60271798)
玉井 克人 弘前大学, 医学部, 助教授 (20236730)
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Keywords | 遺伝子治療 / 遺伝子 / ホルモン / cDNA / クローニング / 表皮細胞 / insulin-like growth factor / growth hormone |
Research Abstract |
前年度の研究において作成したinsulin-like growth factor, growth hormone, erythropoietinの発現ベクターを、ヒロサキヘアレスラットの背部皮膚にnaked DNA法を用いて遺伝子導入し、血中に各遺伝子産物が検出されるかどうかをELISA法により検討した。遺伝子導入後、全ての生物活性物質について経時的な血中濃度の上昇が認められたが、24時間後を最高値とする一過性の発現にとどまった。次に、発現ベクターに用いるプロモーターの強さを検討するために、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子の上流に、サイトメガロウイルス、SV40ウイルス、ケラチン10遺伝子、I型コラーゲン遺伝子、あるいはエラスチン遺伝子のプロモーター領域を連結したレポーターコンストラクトをラット皮膚に導入し、24時間後に導入部組織を採取しCAT活性を行ったところ、サイトメガロウイルス、SV40ウイルスのプロモーターが最強の活性を有していた。次に遺伝子発現の細胞選択性を同様の実験系を用いて検討したところ、サイトメガロウイルスおよびSV40ウイルスでは表皮、真皮ともに強い発現が見られたが、表皮において約3倍強い発現が観察された。一方、表皮特異的発現遺伝子であるケラチン10のプロモーター活性は、表皮においてサイトメガロウイルスの約1/3であったが、真皮においてもプロモーター活性が認められた(表皮の1/20)。更に真皮特異的発現遺伝子であるI型コラーゲンおよびエラスチンプロモーターの活性は、真皮のみならず表皮においても認められ真皮と同等以上のプロモーター活性がみられた。
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