1999 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤アレルギーの遺伝子診断とその臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
11877142
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
片山 一朗 長崎大学, 医学部, 教授 (80191980)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 洋一 長崎大学, 医学部, 助教授 (20231417)
|
Keywords | 薬疹 / サイトカイン / ケモカイン / Th1 / Th2 / 好酸球 / 遺伝子診断 / ウイルス感染症 |
Research Abstract |
平成7年から平成10年の過去4年間に初診時皮膚症状、問診より薬疹ないし中毒疹と考えられた考えられた症例数は635例であり、このうち明らかな感染症などが除外できた症例は339例であった。339例中原因薬剤が特定出来た症例は83例、貼付試験は陰性であったが病歴上明らかに薬疹と考えられ、内服試験が施行出来なかった症例は80例であり、残り176例は薬疹の診断にいたらなかった。薬疹確診例83例では紅斑丘疹型が37例(44.6%)と最多であり、次いで蕁麻疹、アナフィラキシーショック型が23例(27.7%)、固定薬疹7例(8.4%)、紅皮症6例(7.2%)多型紅斑2例(2.4%)その他8例であった。原因薬剤は抗生物質と消炎鎮痛剤がそれぞれ24例(28.9%)と最も多く、ついで抗痙攣剤が14例(16.9%)、造影剤が10.8%、循環器薬5例(6%)、ホルモン製剤2例(2.4%)その他5例であった。これらのデータより臨床上ウイルス感染症や急性GVHDとの鑑別が問題となる麻疹型薬疹は紅斑丘疹型薬疹に含まれている可能性が考えられた。またこの型の薬疹は血管周囲性の好酸球を混じるリンパ球浸潤と程度の差はあるが表皮向性の反応が見られた。また原因薬剤は抗性物質と抗痙攣剤が多かった。この結果より紅斑丘疹型の発症にある共通のアレルギー反応の関与が考えられた。次年度は紅斑丘疹型と麻疹型に対象を絞りTh1型リンパ球のマーカーとされるCCR5、Th2型のマーカーとされるCCR4、好酸球遊走因子であるEOTAXINのレセプターであるCCR3の皮膚反応局所での発現、薬剤添加時のこれらケモカインレセプターのmRNAの発現の有無を検討するとともにDNAマイクロアレー法を用いてサイトカイン、ケモカインmRNA発現パターンをの明らかなウイルス感染症と比較検討し、薬剤アレルギー特異的なマーカーの解析を行う予定である。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Takayama K: "IL-4 inhibts the migration of human Langerhans cells through the downregulation of TNF receptor II expression"J.Invest.Dermatol. 113. 541-546 (1999)
-
[Publications] Bae SJ: "Interleukin-5 involvement in ovalbumin-induced eosinophil infiltration in mouse food-allergy"J.Dermatol Sci. 21(1). 1-7 (1999)
-
[Publications] Yamamoto T: "Nitrite production in mouse 3T3 fibroblasts by bleomycin-stimulated peripheral blood mononuclear cell factors"Clin Exp Rheumatol.. 17. 343-346 (1999)
-
[Publications] Bae SJ: "Autocrine induction of substance P mRNA and peptide in cultured normal human keratinocyte"Biochem Biophys Res Commun. 263(2). 327-333 (1999)
-
[Publications] Yamamoto T: "Effect of superoxide dismutase on bieomycin-induced dermal sclerosis: Implications for the treatment of systemic sclerosis"J.Invest Dermatol. 113. 843-847 (1999)
-
[Publications] 片山一朗: "皮膚疾患とケモカイン"アレルギー・免疫. 6(11). 1540-1547 (1999)
-
[Publications] 片山一朗: "今日の治療指針 1999年版"日比野重明,阿部正和監修. 2 (1999)
-
[Publications] 片山一朗: "皮膚免疫ハンドブック"玉置邦彦,塩原哲男編. 7 (1999)