1999 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタシンの増殖作用の研究および早期腫瘍マーカーとしての有用性の研究
Project/Area Number |
11877177
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
冨田 公夫 熊本大学, 医学部, 教授 (40114772)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 健一郎 熊本大学, 医学部, 助手 (10304990)
野々口 博史 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (30218341)
|
Keywords | 腎癌 / 膀胱癌 / セリンプロテアーゼ / プロスタシン / 尿 |
Research Abstract |
今回私達はラット腎臓より新しいセリンプロテアーゼであるプロスタシンのcDNAクローニングに成功した。このセリンプロテアーゼはヒトおよびラットにおいて腎臓・膀胱・前立腺に強く発現し、その他大腸、胃、肺、皮膚に低レベルの発現を認めた。また、抗プロスタシン抗体による免疫染色では上皮細胞管腔側の細胞膜に発現を認め、さらに尿中にも存在を認めている。プロスタシンに類似のヘプシンが肝臓やヒト肝細胞癌細胞株に多く発現し、その細胞増殖に関与することが証明されていることより腫瘍性増殖に関与している可能性が高い。これらのことより私達はこのプロスタシンの腎臓および膀胱の上皮細胞に対する細胞増殖作用、さらに血中・尿中のプロスタシンのアッセイ系を確立するために、まずプロスタシンのカルボキシ末端付近のアミノ酸配列に基づいてペプチドを合成し、ウサギに免疫を行い高力価の抗体を作製した。現在のところ、ポリクロナール抗体の2種類が得られ、その特異性を検討している。尿中におけるプロスタシン排泄の動態を検討したところ、男性にも女性にも確認された。プロスタシンが前立腺に多く存在することより尿中への精液の混入がアッセイ系への干渉が心配されたが、アッセイ系への問題は少ないものと考えられる。また、血尿、蛋白尿の影響についても検討中である。さらに、特異性の高いマウスモノクローナル抗体を作製し、RIAまたはELISAアッセイ系を確立する準備を進めている。これにより各種腫瘍性疾患での検討をする予定である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Nakayama Yushi.: "Intranephron distribution and regulation of endothelin converting enzyme-1 in cyclosporine A-induced acute renal falure in rats."J. Am. Soc. Nephrol.. 10. 562-571 (1999)
-
[Publications] Ozaki M.: "Expression of arginase II and related enzymes in the rat small intestine and kidney."J. Biochem.. 125. 586-593 (1999)
-
[Publications] Kitamura K.: "Endothelin-B receptors activate Galpha13."Am. J. Physiol.. 276. c930-c937 (1999)
-
[Publications] Miyoshi T.: "Expression of n nMSC1 in mammalian cells."Biochem. Biophys. Res. Commun.. 265. 13-17 (1999)