1999 Fiscal Year Annual Research Report
炎症における核内受容体PPARγの役割の解明と新しい抗炎症薬の開発
Project/Area Number |
11877183
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西村 純二 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (20112336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 晋 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10311854)
生山 祥一郎 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (20184393)
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Keywords | 炎症 / 核内受容体 / PPAR / マクロファージ / 慢性関節リウマチ / 動脈硬化 |
Research Abstract |
慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患のみならず、動脈硬化などにおいても炎症の発症・進展にマクロファージが重要な役割を果たしていると考えられている。本年度はマクロファージーの機能に対するPRARγなどの核内受容体の作用を明らかにするため、脂肪滴構成蛋白の一つであるadipose differenntiation-related protein(ADRP)を標的遺伝子として、マクロファージ機能の解析を試みた。ADRPは脂肪細胞における脂肪滴構成蛋白として同定された蛋白であるが、我々はマクロファージにおいてこの蛋白が発現し、細胞増殖に伴って発現量が増加することを見いだした。さらにADRPの遺伝子発現はPPARγリガンドの添加により著明に増加すること、またPRARαリガンドよっても発現増加がみられることを見いだした。これらの結果から、ADRP遺伝子のプロモーター領域にPPARγあるいはPPARα応答配列が存在するものと考えられるため、現在、このプロモーター領域をクローニングし、その解析を行っている。また、ADRPの細胞内動態を明らかにするため、GFPとのフュージョン蛋白を発現させ共焦点レーザー顕微鏡による観察を行っている。 一方、慢性関節リウマチ患者の関節滑膜細胞におけるPParγリガンドの薬理学的効果を検討するため、培養滑膜細胞を用いて種々の炎症に関与する遺伝子の発現調節に対するPPARγリガンドの作用を検討している。
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[Publications] Ohe K et al: "Nicotinamide potentiates TSHR and MHC class II promoter activity in FRTL-5 cells"Mol Cell Endocrinol. 149. 141-151 (1999)
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[Publications] Nawata H et al: "Human Ad4BP/SF-1 and its related nuclear receptor"J Steroid Biochem Mol Biol. 69. 323-328 (1999)
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[Publications] 生山祥一郎、他: "下垂体腺腫における転写因子の発現と前葉細胞の分化について"ホルモンと臨床. 47(増刊). 50-56 (1999)