1999 Fiscal Year Annual Research Report
ポリミキシンB固定化水晶発振子による血中エンドトキシン濃度測定法の開発研究
Project/Area Number |
11877196
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
田畑 良宏 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20155229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳川 早知子 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (30259387)
小林 隆幸 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (50065562)
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Keywords | 水晶発振子 / マイクロバランス / Sauerbrey equation / 周波数変位 / 差分法 / 微量計測 / 血中活性物質 / 抗原抗体反応 |
Research Abstract |
本研究は、血中の微量の生体活性物質を水晶発振子に付着させ、水晶発振子の表面質量の変化による発信周波数の変移から血中濃度を測定する試みである。この試みを達成するために解決すべき問題として考えられるのは、1)溶液中で水晶発振子の持続的な発振の継続、2)溶液の温度や粘度のような物理的特性の変化によりもたらされる発振周波数の変移と水晶発振子の表面質量変化によりもたらされる周波数変移との識別、3)抗原抗体反応の様な生体活性物質の特性を利用した水晶発振子の表面へ測定しようとする目的物質の選択的吸着、の三つの問題を解決する必要がある。 第一の問題は、種々の発振回路で試験して回路自体の工夫と水晶振動子と発振回路まで距離を可及的に短くすることにより蒸留水及び生理的食塩水中でも安定した発振を持続できる装置を完成した。第二の問題は、ng単位の物質によりもたらされる周波数変化は、たかだか100Hz程度の変化であるのに対して、液温の数度の変化はこれを凌駕する周波数変化を来すことが確認され、恒温装置のない臨床の場での計測には何らかの工夫が必要である。そこで、同じ装置と同じ水晶発振子を2組準備し同じ環境下で周波数変化を計測すると、並行した変化であった。これから一方を対象振動子、他方を計測振動子として両者の周波数変化の差分が表面質量変化による周波数変化としすることが出来ることが確認できた。 現在、3)の過程にあり、水晶発振子の表面の金皮膜に3,3'-dithiopropionic acidを結合させ、この分子のカルボキシル基にアミノ結合で抗体蛋白やアミノ基と持つ分子化合物を結合させ、選択的に水晶発振子の表面に微量物質を吸着させる行程の試行過程である。
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Research Products
(1 results)