2000 Fiscal Year Annual Research Report
インピーダンススペクトロスコピー法を用いた全く新しい消化管運動機能測定法の開発
Project/Area Number |
11877205
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松野 正紀 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80004737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟山 裕士 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (50192315)
佐々木 巌 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60125557)
内藤 広郎 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (90180223)
柴田 近 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (30270804)
福島 浩平 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20271900)
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Keywords | インピーダンススペクトロスコピー / 消化管運動 / 筋細胞 |
Research Abstract |
これまで消化管運動を測定していたstrain gauge force transducerは弛緩に対して評価できないのが問題であった。この問題に対しimpedance spectroscopy(IS)による筋細胞の幾何学的変化が測定可能かどうかを検討した。ISは、これまで横紋筋で筋細胞の形状変化に起因する疾患でインピーダンス軌跡が変化することが示されている。そこで平滑筋組織のインピーダンス軌跡を計測、評価し、その組織構造との相関性について考察した。筋層の構造を示す周波数帯は80-220kHzであり、横紋筋のdataとほぼ一致した。平滑筋を強制的に変形させることでインピーダンス軌跡は変化し、電極配向によりその変化の特徴が異なった。組織変化に支配的なのは90-125kHzのインピーダンス軌跡であった。インピーダンス成分の中で細胞膜容量Cmは他の成分と比較してひずみに対する変化が大きくこれは筋細胞の電流通過断面と相関関係がある、ことが得られた。しかし消化管は漿膜、縦走筋、輪状筋、粘膜下層、粘膜と複雑であるため、どの周波数帯で筋層の構造的特徴が現れるか決定的な実証は得られなかった。今後縦走筋のみで構成されているモルモット盲腸紐などでin vitroの実験を行えば、筋細胞の幾何学的変化に関する情報を得られることが期待される。
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