1999 Fiscal Year Annual Research Report
臍帯血ファージライブラリーを応用した各種癌抗原に対するヒト抗体作製法の開発〜癌特異的抗体免疫療法への応用をめざして〜
Project/Area Number |
11877206
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 正徳 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70206530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片寄 友 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20302151)
海野 倫明 東北大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70282043)
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Keywords | ヒト抗体 / 臍帯血ファージライブラリー / 免疫療法 |
Research Abstract |
各種癌抗原に対応するヒト抗体の作製を行うため外界に対する免疫の少ないヒト臍帯血を採取して比重遠心法により末梢血単核球分画を分離した。さらにナイロンメッシュに通してリンパ球だけを分離した。Dynabeads oligo(dT)25でリンパ球に含まれる全mRNAを抽出した。抽出したmRNAはただちにfirst strand cDNA synthesis kitによりcDNAに変換した。これを鋳型にして、ヒト抗体の可変領域を増幅することが可能であるヒトプライマーミックス(鐘紡)を用いて1stPCR反応を行った。増幅された遺伝子をアガロースゲル電気泳動で精製して、これを鋳型にして、その両端に制限酵素サイトを導入するプライマーミックスを用いて2nd PCR反応を行った。2nd PCRで増幅した遺伝子は再び精製後、両端に導入された制限酵素で消化した。バクテリオファージM13のgeneII遺伝子の上流に一本鎖抗体の形での遺伝子が組み込まれているファージミドベクターpTZを利用して、制限酵素で消化した2nd PCRにて増幅した重鎖、軽鎖の可変領域遺伝子ライブラリーをsubcloningした。得られたファージミドベクターを用いてエレクトロポレーション法により大腸菌JM109株を形質転換した。ファージミドベクターにはアンピシリン耐性遺伝子が含まれており、アンピシリン入りのLBプレート上のコロニーの発現により、大腸菌が正しく形質転換されていることを確認した。形質転換したファージミドにはファージを構成する蛋白質の一部の情報しか含まれていないためファージミドに含まれていない部分の蛋白質の情報を持つヘルパーファージM13KO7を感染させ、ヘルパーファージの感染した菌体のみを得るため、カナマイシンを付加した。大腸菌に感染したファージは培地中に分泌されるため、ここから20%PEG6000,2.5M NaClを用いてファージを調製した。このようにしてヒト抗体可変領域ライブラリーをポリぺプチドリンカーで連結したファージライブラリーが得られた。
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