2001 Fiscal Year Annual Research Report
膵幹細胞のβ細胞への分化増殖に関する転写因子の検討とハイブリッド型人工膵の開発
Project/Area Number |
11877219
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
土谷 まり子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00266826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土谷 健 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00246472)
大河原 久子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (10075468)
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Keywords | インスリン / 人工膵島 / ブタ |
Research Abstract |
糖尿病治療としての膵島移植の実現にむけて、膵細胞の開発を行っている。我々はブタ膵β細胞の初代培養を確立しており、まず長期培養における遺伝子発現と細胞のインスリン分泌及びグルコース反応性の検討を行った。さらにより細胞の機能維持(グルコース反応性)を長期に行うための培養条件ともとめた。 対象・方法:ブタインスリン遺伝子はすでにクローニングしているが、その他の転写因子はヒト遺伝子の配列からブタ遺伝子の配列を一部決定し、RT-PCRを行いその発現を経時的に検討した。インスリンの活性測定はEliza法により、形態観察はインスリン分泌顆粒を染色し光学顕微鏡で行った。培養条件は、細胞外基質について、及び成長因子などの添加について検討した。 結果:インスリンやこれに関わる転写因子のmRNAの発現は9週頃まで保たれているが、インスリンの活性は4週でほぼ半減し、7週以降では細胞接着性が低下していた。細胞のグルコース反応性は、高血糖(20mMglucose)、K負荷の2種の刺激に対して反応性を有するが5-7週以降次第に低下する。またlaminin coating dishでの培養では、初期のグルコース反応性は上昇するが、低下率も大きく5-7週以降はnon coating dishと差が小さくなってくる。 考察および今後の展開:PDX,Beta2,Nkx6.1,Pax6等の転写因子は、インスリンとともに9週まで保たれており、RT-PCRでは明らかな増減は見られていない。成熟細胞としての性質を示すものであり、このような細胞の機能維持は、生理的条件を加味した細胞外基質や増殖因子の検討が必要である。また組織幹細胞の選別には、未分化細胞マーカーと高感度の発現検出方法が必要である。
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[Publications] 土谷まり子: "ブタ膵β細胞の長期培養におけるインスリン遺伝子と転写因子の発現"糖尿病. 44巻(補1). S-162 (2001)
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[Publications] Mariko Tsuchiya: "Cloning and Expression Analysis of the Porcine Pancreatic Islet Gemes in long-term Culture Using a Monolayer Cultured Pancreatic Endcrime Cells"Diabetes. 50(sup 2). A340 (2001)
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[Publications] Mariko Tsuchiya: "Gene and Functional Analysis of the Porcine Pancreatic Endocrine Cells Using Monolayer Culture"Pancreas. 23(4). 465 (2001)
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[Publications] Mariko Tsuchiya: "Molecular Cloning of the Porcine Insulin cDNA Using Monolayer Culture of Pancreatic Endocrine Cells"Cell Trans.. 10. 485-491 (2001)
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[Publications] 土谷まり子: "再生医療の最前線:膵再生"小児内科. 34巻1号. 94-99 (2002)