2001 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外分光法による大血管手術中の脊髄虚血モニタリング
Project/Area Number |
11877221
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
椎谷 紀彦 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (00250449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村下 十志文 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20261290)
安田 慶秀 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60125359)
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Keywords | 近赤外分光法 / 脊髄虚血 / 大動脈瘤 |
Research Abstract |
近赤外分光法を用いた脊髄虚血の評価について、臨床的、実験的検討を継続した。 1)臨床的検討 径食道プローベの制作がコスト的に見合わない(協力依頼メーカー)ためこれを断念し、背部より経皮的に測定する方法を試行した(n=1)。 (方法)術前CTにてT8付近の背部皮膚から脊髄までの深度を計測し、これにあわせた距離で長軸方向にT8付近にプローベを添付し連続記録した。 (結果)術中大動脈遮断に伴う有意の変化は得られなかった。また術後脊髄障害を認めなかった。 (考察)脊髄誘発電位の同時測定を試みたが、電極の位置不良のため有効な波形が得られなかった。したがって、近赤外分光法にて脊髄虚血がモニターでき虚血は起こらなかったのか、虚血は起こったがモニターできなかったのか判定が不可能であった。次症例からマルチチャンネルとし、プローベ添付も安定の悪い正中長軸方向を避けることで、technical problemを改善する方針である。 2)実験的検討 ウサギ腎動脈下バルーン遮断15分モデルを用い昨年と同様のモデルで検討した。本年度は血液希釈ウサギにおける脊髄虚血中の近赤外分光法の変化の検討を開始した。これは、臨床的には体外循環を用いて血液稀釈のもと手術が行われているためである。 4kgのNZWラビットの血液を乳酸加リンゲル液に50ml交換した(約15%稀釈)。ウサギ2羽を用い、この稀釈にて長期生存が可能であるかどうかpilot studyを行ったところ、耳介正中動脈から脱血、耳介辺縁静脈から輸液、10分かけて動脈圧モニターしながら施行することで可能であった。そこで3羽めから、血液稀釈の後、経大腿動脈的にバルーンをすすめて、我々の従来の方法で脊髄虚血を誘発した(n=3)。しかしいずれも、手術終了後翌朝までの間に死亡した。血液稀釈+虚血はこの大きさの動物では過大侵襲であると判断しモデルを中動物に変更することを検討中である。
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