1999 Fiscal Year Annual Research Report
本邦における患者の満足度に基づいた脳神経外科手術後機能予後判定基準の開発と普及
Project/Area Number |
11877235
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 明夫 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (60302725)
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Keywords | QOL / SF-36 / EQ-5D / 脳神経外科手術 / 脳・脊髄疾患 / Rankin scale |
Research Abstract |
脳神経外科疾患を患う場合、またその治療前後の変化において、患者が自分の健康、社会的役割をどのように捉えているのかという疑問を基本の目的としてこの研究を進めている。まず米国を中心にもちいられている、健康に関する生活の質を調査するSF-36フォームの邦訳を東京大学医学部国際交流室(福原)の許可を得て、またヨーロッパを中心に使用されている5項目からなる簡便なEQ-5Dの邦訳を慶応義塾大学医学部医療政策・管理教室(池田)の許可を得て脳神経外科疾患患者に適した質問表を作成した。これをまず前向き調査として当院及び関連脳神経外科施設において、今後開頭手術をうける患者の術前、術後1ヶ月、3ヶ月、1年において用い、その解答率、質問間の食い違いなど、またその実際の結果を評価して、脳神経疾患を患う患者にどのようなタイプの質問表が適しているのか(SF-36とEQ-5Dの相違)、またどの程度の重症度まで解答できるのか、従来の結果評価方法との違いを検討する。次に後ろ向き調査として現在までおこなわれたガンマナイフ治療を受けられた患者、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血を患った患者において治療後6ヶ月また1年の段階でどの様な結果が得られるのか、一般の健康な対象とどう異なるのか、重症度、疾患による違い、従来の評価方法との差を検討する。 現在以上のプロトコールをもとに、フォーム、患者説明書、承諾書などを作成し、東京大学医学部倫理委員会に提出した。また関連施設に参加をよびかけている。 その他脳神経外科学会が厚生科学研究としてすすめている未破裂脳動脈瘤の悉皆調査においても、このフォームによる調査をすすめ、広く本邦におけるこの様な調査の重要性を強調してゆく。 現在、倫理委員会の承認がまだ得られておらず実際の患者に対する調査はおこなわれていない。本年4月から実調査を始める予定であり、1年間で500例のデータを収集することを目的としている。
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