1999 Fiscal Year Annual Research Report
難治性てんかん治療としての迷走神経刺激に関する基礎的研究
Project/Area Number |
11877237
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
上野 武彦 山梨医科大学, 医学部, 助手 (40252035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小俣 朋浩 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60233615)
堀内 城司 山梨医科大学, 医学部, 助手 (40181523)
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Keywords | てんかん / 迷走神経刺激 / 扁桃体 / カイニン酸 |
Research Abstract |
難治性てんかんモデルとしてラットキンドリングモデルを当初予定していたが、自発的なてんかん発作をより生じやすいラット扁桃体カイニン酸注入モデルを確立した。このモデルは、ラットの扁桃体にステンレス管を留置した後、8日後に無麻酔かつ無拘束の状態でこのステンレス管からカイニン酸を注入することによって急性の重積発作を起こし、慢性期に自発てんかんを生じてくるモデルである。カイニン酸注入後6週間を過ぎたころから自発的な全身痙攣発作を生じ、全身発作に至らない辺緑系発作も頻繁に捕らえられており、脳波も覚醒下で安定して記録できているため、全身発作のみならず、脳波上での評価を行った。 同時に、迷走神経刺激のトライアルを施行した。長期間の留置に適したラット迷走神経刺激用の電極を開発し、ラットに埋め込み、頭部に固定したソケットを通じて無麻酔かつ無拘束の状態で迷走神経刺激を行うことが可能となった。今までラットにおいて報告されたような急性刺激のパラメーター(強度1mA、頻度30Hz、持続時間500μs)では、連続刺激を行うと、ラットの衰弱が激しかった。したがって、慢性的に迷走神経刺激を施行するためには、現在、実際に臨床応用されている間欠刺激を用いるほうが適切である。ラットの迷走神経刺激の最適なパラメーターを決定し、慢性刺激を行い、自発的なてんかん発作を起こしてきた時点で迷走神経刺激電極を埋め込み、行動面および脳波の変化を中心に評価を行う予定である。
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