1999 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血時における細胞死シグナル伝達機構の調節に関する検討-シグナル調節蛋白(14-3-3蛋白質)の役割-
Project/Area Number |
11877239
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
野田 伸司 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (70303500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 浩一 愛知県がんセンター研究所, 生化学部, 室長 (50252143)
郭 泰彦 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (90242718)
坂井 昇 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021487)
西村 康明 岐阜大学, 医学部, 助教授 (60198512)
岡野 幸雄 岐阜大学, 医学部, 教授 (10177066)
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Keywords | 14-3-3protein / PC12 / hypoxia / serum deprivation / H202 |
Research Abstract |
本年度はまず、培養神経系細胞であるPC12細胞にの虚血モデルとして、低酸素負荷、Serum deprivation刺激、H202刺激を設定し、この各モデルに関して、14-3-3蛋白質の5種類のアイソザイム(β、γ、θ、ε、ζ)についてWestern blotting法で経時的な蛋白質量の変化を検討した。各刺激において、12時間後から細胞死が確認された。各モデルにおける変化は以下のとおりである。低酸素負荷では14-3-3蛋白質のζ、γが増加、βは24時間まで増加、その後48時間後には減少した。Serum deprivation刺激ではζが減少、γが軽度増加傾向を示した。H202刺激ではγが24時間後まで増加、その後減少した。Ε、θに関しては目立った変化は認めなかった。今回の各刺激における14-3-3蛋白質のアイソザイムの蛋白質量の変化は各々の刺激伝達経路における役割を示唆するものと考えられる。特に、β、γ、ζの3種類に関しては今回の刺激に応じて、増加、減少を認めた。これらの変化はこれまでの報告より14-3-3蛋白質が神経細胞の修復、分化等に関与していることを考えると虚血からの神経細胞の保護に関与していると考える。 尚、この内容はBrain'99(June13-17,1999Copenhagen Denmark)、第58回日本脳神経外科学会総会(Oct.27-29,1999Tokyo Japan)で発表した。
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