2000 Fiscal Year Annual Research Report
脳動脈瘤塞栓術における瘤の完全閉塞をめざしたコイルの開発-血管内皮増生をきたす生理活性物質の併用
Project/Area Number |
11877243
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
下鶴 哲郎 鹿児島大学, 医学部, 助手 (20284870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 晶夫 国立循環器病センター研究施設, 生体工学部, 部長 (60224929)
明石 満 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20145460)
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Keywords | aneurysm / healing / GDC / embolization |
Research Abstract |
近年脳動脈瘤に対する瘤塞栓術は、開頭によるclipping術に代わる治療法となりつつあるが、そのdeviceは生理的にinartな白金コイル(GDC)であり血栓促進効果は低く,破裂を予防する目的を果たしているか不確実である。 我々は、その塞栓物質であるコイルに血栓形成能を有する無機質の生体適合物質であるアパタイトをコーティングし、血管修復に重要なbFGF(human recombinant)をその表面に固定化し瘤の解剖学的な完全閉塞をめざした。 3-4カ月の体重25-30Kgの豚7頭を用いて全麻下で両側の頚動脈に静脈-動脈端側吻合を行いneckが5-6mm、sacが8-10mmの実験的動脈瘤を計14個作成した。ヘパリン静注にてACT250以上を維持した環境下で、大腿動脈からFasguide 6Fr+Turbotracker 18にて瘤内に留置しApatite-GDC(n=6),Apatite+FGF-GDC(n=3)とnormal GDC(n=4)を瘤内に5-10個塞栓した。、塞栓術を施行した。1-2週間後脳血管撮影にて閉塞率を確認後、豚を屠殺し、瘤を血管と共に摘出し瘤のorificeをmacroscopicに観察し、historesin+methyl methacrylate包埋後光顕で動脈瘤頸部の内皮化、瘤内コイル周辺の血栓の器質化についてコントロールと比較した。 Apatite+FGF-GDC、Apatite-GDCで塞栓した瘤は、コントロールに比較し、2週間後の閉塞率、瘤頸部の内皮化が良好であった。特にApatite+FGF-GDCにおいて瘤頸部が完全に被覆化され、病理学的にコイル周辺の血栓内にfibroblastの増勢が観察された。 臨床では、広頚部の比較的大きい動脈瘤や、bifurcation typeの動脈瘤において、recanalizationやcoil compactionの報告があり、今後これらの動脈瘤モデルを作製し、我々が開発したコイルによる瘤内塞栓術を施行し効果および安全性について検討したい。
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