1999 Fiscal Year Annual Research Report
損傷脊髄の再生に関する基礎的研究-胎内手術モデルを用いて-
Project/Area Number |
11877255
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
下瀬 省二 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (30304439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出家 正隆 広島大学, 医学部・附属病院, 医員
望月 由 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (10284192)
生田 義和 広島大学, 医学部, 教授 (60034005)
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Keywords | 脊髄損傷 / 胎内手術 |
Research Abstract |
近年、tissue engineeringの進歩により各組織の組織再生の研究がすすめられている。われわれは、受傷後に多大な機能損失をきたす脊髄損傷における神経の再生を図る目的で今回の研究に着手した。これまでに、われわれは四肢のさまざまな組織の再生について、胎児モデルを用いた胎内手術により研究をかさねてきた。動物モデルでは生後3週以内のラットで脊髄損傷の回復が期待できると報告されており、より修復能の高い胎児期ではより良好な回復が期待される。 そこで胎内手術により脊髄損傷モデルを作成し、脊髄損傷の修復状況を抗ニューロフィラメント抗体などを用いた免疫染色を行い検討を加える計画をたてた。 今年度は脊髄損傷モデルの確立を図った。妊娠ラットの正中下腹部に一部切開を加えて、子宮を腹膜外に露出し、第8胸随レベルで脊髄に損傷を加えた。作成する損傷の程度、あるいは手術時間により胎仔の出生率が左右されるという問題が生じたため、脊髄損傷を横断性に切断して作成するモデルから、部分的な損傷へと変更した。また、あわせて胎仔の減数化や羊水量の調節によって出生率を改善した。 その結果、脊髄損傷部より下位での神経細胞に変化が生じていることが明らかになった。現在、抗ニューロフィラメント抗体などを用いた免疫染色を行い検討を加えており、NGFやTGF-β、IL-1,GAP43などの発現をIn situ hybridyzation法を用いて分子生物学的に解析しようとしている。 また、できればPolymerase Chain Reaction(PCR)を施行して、DNA解析およびRNA解析をそれぞれ行いたい。
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