1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11877260
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 啓二 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20178726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住田 秀介 愛知医科大学, 医学部, 助手 (10308968)
服部 友一 愛知医科大学, 医学部, 助手 (40172936)
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Keywords | 温度処理 / コラーゲン合成 / オステオカルシン / 骨芽細胞様細胞 |
Research Abstract |
温度処理骨の温度条件によるコラーゲン変性の程度や骨基質内の因子活性の変化が骨芽細胞の分化や増殖にどのような影響を与えるかについて検討する目的で以下の実験を行った。 方法:SDラット骨髄細胞を培養し、骨芽細胞様細胞を分離した。SDラットの長管骨を70度15分処理(70度群)したものと、120度10分(120度群)したものを作成した。新鮮自家骨(自家骨群)と合わせて3群の骨について0.01〜0.5mmに粉砕し、同量培養フラスコに散布した後、骨芽細胞様細胞を同数培養し、培養3.5.7日の培養液を採取し、I型コラーゲン量とオステオカルシン量を定量した。また骨を入れないものをコントロール群とした。 結果:コントロール群に比し、3群共細胞増殖能は低下する事はなかった。120度群は70度群や自家骨群に比較して、3.5.7日ともI型コラーゲン量P<0.0002,オステオカルシン量P<0.0001と有意差をもって高値を示した。120度群ではオステオカルシン量は徐々に減少する傾向を示したが、I型コラーゲン量は逆に増加する傾向を示した。 考察:120度群ではコラーゲン変性が強く非生理的な環境である為、骨芽細胞様細胞はまず細胞分化をし、オステオカルシンを産生すると共に、I型コラーゲンを合成して、自らの環境を整えたと考えられる。一方70度群は自家骨群とオステオカルシン量・I型コラーゲン量共同様であった。これは骨芽細胞様細胞にとって70度処理した骨は自家骨と同じ環境として認識していることと解釈できる。今後細胞増殖能を詳細に検討すると共に、アルカリフォスファターゼ活性を検討し、FGF.PDGF等の活性因子の影響を検討する予定である。
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