2000 Fiscal Year Annual Research Report
内因性オピオイドペプチド発現による"痛みの遺伝子治療"を目指す基礎的研究
Project/Area Number |
11877266
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
溝渕 知司 岡山大学, 医学部, 助手 (70311800)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 善文 岡山大学, 医学部, 教授 (70126241)
中塚 秀輝 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (70263580)
横山 正尚 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (20158380)
平川 方久 岡山大学, 医学部, 教授 (70033058)
|
Keywords | 痛み / メカニズム / 遺伝子 / 遺伝子治療 / 内因性オピオイドペプチド |
Research Abstract |
我々は、幻肢痛、帯状疱疹後神経痛、癌性疼痛などの遷延する難治性疼痛を解決する目的で、主に分子生物学的手法を用い、(1)痛みの基礎的メカニズムの解明と、(2)内因性オビオイドを脊髄内で発現させ除痛を図ろうとする"痛みの遺伝子治療"を目指した基礎的研究を行っている。β-エンドルフィン等の発現細胞(ベクター)の開発は申請者が以前所属した研究施設が行っており、我々は主に脊髄レベルでの遺伝子の発現を捉えるべく、ホルマリンモデルおよび坐骨神経結紮モデルを作成しc-fos、c-jun、ストレス蛋白(HSP-70,HSP-32)の発現を経時的にNorthen blotting、免疫染色にて検討した。この中ではホルマリン疼痛モデルにおいて、脊髄内および脊髄後根神経節でのc-fos発現の時間的経過を追うと、ホルマリンによる疼痛刺激後少なくとも10分後より刺激側の脊髄内にc-fos(mRNA)の発現の増強が見られた。さらに、ホルマリンだけでなく穿刺の侵害刺激のみにてもラット脊髄内の刺激側にc-fos発現の増強が見られた。このことは炎症性刺激のみならず侵害受容器を刺激することでも脊髄内に疼痛関連遺伝子が発現することを示しており持続的な侵害刺激が継続する(癌性疼痛と同様の病態が継続する)と、痛みに関連する遺伝子が発現することを示唆している。さらに、ストレス蛋白の発現を検討すると、HSP-70,HSP-32ともラット脊髄にてmRNAを確認できたが、非刺激コントロールと比べ有意な変化は認められなかった。このことはストレス時に細胞保護的に作用すると考えられている内因性物質がホルマリン疼痛モデルにおける疼痛伝達に関しては重要な役割を示していないことが示唆された。
|
-
[Publications] Yokoyama M, et al 7 persons: "The effects of epidural block on the distribution of lymphocyte subsets and natural-killer cell activity in patients with and without pain."Anesthesia & Analgesia. 92・2. 463-469 (2001)
-
[Publications] Yokoyama M, et al 6 persons: "The effects of epidural insertion site and surgical procedure on plasma lidocaine concentration."Anesthesia & Analgesia. 92・2. 470-475 (2001)
-
[Publications] Tsukiji T, et al 7 persons: "Gene expression of heme oxygenase-1 during glial activation by lipopolysaccharide."Research Communications in Molecular Pathology and Pharmacology. (印刷中). (2001)