1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11877273
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庵谷 尚正 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (50232145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相田 聡 東芝医用機器, システム技術研究所, 主査
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Keywords | 衝撃波 / 遺伝子導入 / B-Galactosidase |
Research Abstract |
我々はこれまで水中衝撃波とブレオマシンを各種ヒト癌細胞浮遊液に同時投与すると、極めて低濃度のブレオマシンで殺細胞効果が得られることを報告してきた。その機序として、衝撃波照射により細胞表面に短時間小孔が発生すること、細胞浮遊液中に溶解した蛍光物質の細胞内への移行が衝撃波照射により増強することを観察できる。本研究では同様に細胞浮遊液中に混じた遺伝子が衝撃波により細胞内に導入され得るかを検討した。方法としてプラスチック製試験管の底部を切断し、ポリエチレン膜を張った容器中にヒト胃癌細胞GCIYをRPMI培地に浮遊させ、これにpSV-β-Galactosidase Vectorを添加した。ピエゾ型集束衝撃波発生装置を用い、20MPa、3000回の衝撃波を水中で底部より照射した。72時間培養後、β-Galactosidase活性を、X-Gal溶液を反応させて発色する青色を位相差顕微鏡で観察した。コントロールとしてelectroporationを用いたが、発色した細胞数は少ないものの、衝撃波を照射した標本に於いても青色を呈する細胞が観察され、β-Galactosidase活性が証明された。現在のところ、遺伝子が導入される細胞数はelectroporationに及ばないが、衝撃波の照射条件の検討により、改善が期待できると考えられる。今後はアッセイ法の検討、導入効率を修飾する因子について検討し、導入効率の増強をはかりたい。また、衝撃波のみならず、超音波連続波でも検討する予定である。
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