1999 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚の虚血によるHeat shock proteinの発現: delay皮弁の虚血耐性獲得機序の解明
Project/Area Number |
11877308
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山田 敦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60107662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 宗昭 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (50271929)
小坂 和弘 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80302107)
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Keywords | Heat shock protein / 皮弁 / 一過性虚血 / delay皮弁 / ラット |
Research Abstract |
Wister系ラット平均体重200gを用いて行った。ラットの鼠径皮弁を挙上し、マイクロ血管クランプにて0,2,8,12時間血流遮断を行い、それぞれ遮断解除後8時間,24時間,2日,7日目に皮弁の面積を記録し皮弁を採取した。採取した標本は中央で縦断し外側はホルマリン固定、パラフィン埋包でH-E染色を行い光学的変化を検証した。内側はドライアイスにて凍結処理しHSPmRNAの検討を行う予定とした。各群はn=3×4,合計48匹のラットを用いた。 皮弁の面積の検討では、遮断時間0時間,2時間群では皮弁に面積に経時的変化は見られなかった。8時間群において遮断解除後2日目までは有意な変化は見られなかったが、7日目においてMann-Whitnytestにおいて有意に面積が縮小していた。12時間群においては2日目に有意に面積が減少し壊死部分が出現していた。 光学的検討では、遮断時間0時間,2時間群では経時的変化は見られなかった。しかし、8時間遮断群において7日目の標本にてsubdermisの脂肪組織の構造が消失し、線維組織に置き変わっていることが認められた。炎症性細胞はわずかしか見られなかった。表皮細胞は層数が減少している印象を受けたが有意ではなかった。これらの変化は遮断後48時間までは見られなかった。12時間遮断群では遮断解除後2日目の標本において表皮から真皮下層にかけて均一にeosi philicに染まり、壊死に陥っているものと考えられた。
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