1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11877312
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
大西 清 東邦大学, 医学部, 助教授 (30194228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 弘真 東邦大学, 医学部, 助教授 (00169575)
黒田 優 東邦大学, 医学部, 教授 (10170135)
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Keywords | 深部静脈 / 表在静脈 / 静脈弁 / 静脈圧 / 逆流性血行 / 逆行性皮弁 / 血管内視鏡 |
Research Abstract |
【目的】血管内視鏡(0.6〜2.8mm径多目的細径fiber scope)を用い四肢末梢静脈の内腔観察と静脈圧負荷試験を行い、静脈弁機能を動的に評価した。 【対象および方法】静脈内観察:橈側皮静脈2例、大伏在静脈13例に対し血管内視鏡を挿入、ヘパリン加生食水注入下に血管内腔を観察した。静脈圧負荷試験:橈側皮静脈2例、大伏在静脈5例に対し血管内視鏡を挿入、ヘパリン加生食水を注入し弁運動を観察するとともに、カテーテル式血圧測定法により静脈圧を測定した。 【結果】静脈内所見:血管内膜面は白色から淡黄色を呈し、分岐合流部は明瞭に観察された。観察された静脈弁は総数54弁で、全て二尖弁より構成され弁軸は中枢側へ向いていた。静脈圧負荷試験:静脈圧は橈側皮静脈18±11mmHg、大伏在静脈32±6mmHgであった。順行性表在静脈では生食水の注入により内腔は徐々に拡張し、120mmHg加圧により弁尖接合部は離開した。逆行性表在静脈では、生食水注入により弁近位側からの環流は遮断され弁尖は閉鎖、加圧中止により環流は再開した。注入圧200mmHg以上(最大280mmHg)においても弁不全化による逆流は認めなかった。 【結論】健常四肢表在静脈では、生理的状況下での弁不全による逆流性環流は惹起しえないことが確認された。従って、逆行性皮弁や遠位側茎皮弁において表在静脈は皮島部静脈還流路としては作用するものの、血管茎環流路としての臨床的意義は乏しいことが示唆された。
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