2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11877327
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
早川 太郎 愛知学院大学, 歯学部・生化学講座, 教授 (80064822)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 京子 愛知学院大学, 歯学部・生化学講座, 講師 (40231659)
|
Keywords | TIMP-1 / TIMP-2 / TIMP-3 / TIMP-4 / 有糸分裂細胞 / クロモゾーム / 免疫染色 / 単鎖DNA |
Research Abstract |
本年度の研究では、TIMP-1以外にTIMP-2、TIMP-3およびTIMP-4についても、それらの核内移行およびクロモゾームとの結合について検討した。その結果、ABCを用いた間接法で免疫組織学的検討を行ったところ、いずれのTIMPも核内に存在することが確認された。しかし、クロモゾーム上での染色では、染色性の強弱はあるものの、TIMP-3およびTIMP-4はTIMP-1と同じように陽性に染色されたのに対し、TIMP-2の染色は陰性であった。この結果は、TIMP-2はクロモゾームとは結合しないか、結合してもその結合力は極めて弱いことを示唆している。ついで、M期のHeLa細胞について、ジギトニン-ポリアミンまたはフィコールを用いた二つの分画法によってクロモゾームを単離し、Western blottingを行ったところ、ジギトニン-ポリアミン法で得られたクロモゾームにはTIMP-1のみが検出されたのに対し、温和なフィコール法で得られたクロモゾームにはTIMP-1の他TIMP-3およびTIMP-4が検出された。この結果はTIMP-2とクロモゾームの結合が他のTIMPに比べ弱いことを示唆しており、先に示した免疫染色性の結果とよく一致している。さらに、TIMP-1およびTIMP-2がOB-foldタンパクであることから、DNAと直接結合する可能性が考えられる。そこで、M13ファージ単鎖DNAとTIMP-1およびTIMP-2の結合について検討した。いずれの場合も、TIMPを添加した場合、電気泳動上用量依存的にDNAバンドの高分子側へのシフトがみられたが、DNA250μgに対し、TIMP-1では200〜500pgの添加で有意なシフトがみられたが、TIMP-2では500〜1000pgでわずかなシフトがみられたのみであった。この結果は、上述したクロモゾーム上での染色性や二つの異なった分画法で得られたクロモゾーム画分のWestern blottingの結果とよく一致している。最近、TIMP-3やTIMP-4タンパクを入手できたので、現在、それらのTIMPについてもDNAとの結合性を検討中である。
|