1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11877342
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
岡崎 定司 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80169094)
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Keywords | 唾液 / 歯周疾患 / 診断 / グリコサミノグリカン / コンドロイチン硫酸 |
Research Abstract |
コンドロイチン硫酸は歯周組織の主要硫酸化グリコサミノグリカン(S-GAG)で,その構成不飽和二糖組成は,各組織で異なる.ところで,健常な歯周組織の歯肉溝滲出液(GCF)のS-GAGはまったく含まれていないか,ごく微量のみ存在する.しかし,歯周疾患を有する歯周組織から流出するGCFにはかなりのS-GAGが含まれている.すなわち,疾患を有するGCFには歯周組織からの代謝,分解産物であるS-GAGが流入している.本年度は,dimethylmethylene blue assay(DMB法)のmicroplate法を改良して短時間でGCFのS-GAGのデータを得ることができるように,その測定法の基礎的検討を行った.試薬としてDMB試薬:DMB55mM/lギ酸緩衝液(pH3.3)とTris溶液:Tris(base)2M/lを用い,DMB試薬:Tris溶液=10:1(pH8.8)で用時調整を行う.使用酵素はchondroitinase ABCである。測定は試料にDMB試薬を加え,microplate readerを用い,540nmの吸光度を測定した。それぞれのS-GAG(コンドロイチン4硫酸,コンドロイチン6硫酸,デルマタン硫酸)について標準曲線を作成した結果,すべてのS-GAGで0-3μg/100μlにかけて吸光度に直線関係が認められた.そこで,この結果を踏まえ,健常者および歯周疾患罹患者のGCFを測定した結果,健常者では,ほとんど反応は認められなかったものの,歯周疾患罹患者においては健常者に比べ,有意に高い反応が認められた(P<0.05).来年度は唾液を用いるとともに,測定感度をあげること,chondroitinase ABCの酵素処理以外の方法等も考えることなど,実用化に向けてさらに検討したい.
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