1999 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌に対する磁場誘導組織内温熱療法と血管新生阻害剤の併用効果の検討
Project/Area Number |
11877347
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤内 祝 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50172127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 正顕 名古屋大学, 医学部, 教授 (90013531)
光藤 健司 名古屋大学, 医学部, 助手 (70303641)
上田 実 名古屋大学, 医学部, 教授 (00151803)
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Keywords | Interstitial Hyperthermia / Implant Heating System / VX-7 tumor / TNP-470 / 血管新生阻害剤 / Rabbit |
Research Abstract |
Hyperthermiaは他の癌治療法と併用できる有効な治療法である。しかしながら口腔組織は可動性であり、しかも口腔は中空の臓器であるために腫瘍を均一にしかも選択的に加温することは従来の外部加温法では困難であった。そこで腫瘍内にアプリケーターとしてインプラント体を刺入し磁場を照射して加温する新しい磁場誘導組織内加温法であるImplant Heating System(IHS)を開発し、その有用性を検討してきた。しかしながら、IHSを動物実験にて舌癌に用いたところ、腫瘍内で磁性体を刺入した部位より腫瘍の栄養血管に遠位である末梢側では抗腫瘍効果が高かったが、中枢側では血行が豊富になり冷却作用が働き加温状態が悪くなることが判明した。そこで今回の研究は、新たに開発された血管新生阻害剤(TNP-470)を腫瘍内に注入し、特に中枢側の血管を微弱にして血行を減退させることにより加温効果を高め、抗腫瘍効果を高めることを目的とした。 実験には、バビローマウイルス由来の兎VX-7の細胞系を用いて舌腫瘍モデルを作製した。Implant針を腫瘍内に刺入後TNP-470を腫瘍中枢側に局所注入し磁場を照射した。そして、照射中の組織内温度ならびに経時的に抗腫瘍効果について検討した。 その結果、照射開始直後より腫瘍内温度は急激に上昇し目的温度(43゜C)に達した。また照射中、その温度を維持することも可能であった。一方、抗腫瘍効果においても血管新生阻害剤を局所注入しない対照群に比し、局注群の腫瘍は有意に減少した。以上より、血管新生阻害剤を併用した磁場誘導組織内加温療法は組織内加温単独療法に比し有効であることが確認できた。
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