1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11877358
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
花田 晃治 新潟大学, 歯学部, 教授 (90013979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 功 新潟大学, 歯学部・附属病院, 講師 (90205633)
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Keywords | セメント芽細胞 / ヒト / 培養 / 歯根吸収 / 矯正治療 |
Research Abstract |
矯正治療により歯根吸収は,臨床上大きな問題の1つである.歯根吸収が過度に進行する機序は,おそらくセメント芽細胞の損傷に続いて破歯細胞が引き寄せられ,吸収に抵抗性を持つ細胞性セメント質や象牙前質が失われることによると考えられているが,その詳細についてはほとんど明らかにされていない.その一因としては,セメント質を構成するセメント細胞,セメント芽細胞の分離培養が困難で,これらの細胞の機能や吸収調節機構における破歯細胞との相互作用などを詳細に解析することができていないことが挙げられる.そこで,本研究ではヒトセメント芽細胞の株細胞を樹立し,その機能,および吸収調節機構における意義の解明を目的とする. Cemento-osseous dysplasiaの患者より組織を採取し,硬組織を含む部分,軟組織のみの部分など肉眼的に5種類の組織片に分離した.それぞれの組織片を抗生物質を含んだRPMI1640mediumに浸し,洗浄後,眼科尖刀にて細切した.0.1%collagenaseを含むRPMI1640medium中で37℃恒温槽にて30分間インキュベートし,1000rpmにて2分遠心後,培養皿に播き,10%血清を含むRPMI1640mediumにて培養した.細胞がoutgrowthしてくるまでは1週間毎に培地を交換し,細胞が増殖してきたら1週間に2回の割合で培地交換した.細胞数が十分得られたところで,限界希釈法を利用して細胞のクローニングを行った.現在,硬組織を含む病理組織より分離,クローニングされた25種類の細胞株を培養している. 今後,クローニングされた細胞について,セメント質特異的蛋白質モノクロナール抗体による免疫染色にてセメント芽細胞の同定を行う予定である.
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