1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11877360
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
渡邊 達夫 岡山大学, 歯学部, 教授 (20034176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 憲一 岡山大学, 歯学部, 助手 (80314699)
多田 徹 岡山大学, 歯学部, 助手 (80304319)
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Keywords | カルシウム結合性タンパク / スタセリン / ヒスタチン / プロリン・リッチ・プロテイン / 耳下腺唾液 / リン酸カルシウム / 定量的実験 / カルシウム結晶成長抑制能 |
Research Abstract |
カルシウム結合性唾液タンパクにより,リン酸カルシウムの結晶析出が抑制されることが報告されているが,従来の方法はその抑制能の定量性に欠けている。そこで本研究は唾液タンパクのリン酸カルシウム結晶析出抑制能の定量的実験系を確立し,石灰化の作用機序を解明することを目的としている。 本年度はヒト耳下腺唾液タンパクのリン酸カルシウム結晶成長抑制能を定量化するための実験条件を検討した。 過飽和のカルシウム溶液とリン酸溶液を混合することにより生じたリン酸カルシウムの結晶をメンブレン・フィルターを用いて除去する。溶液上清中のカルシウム濃度を原子吸光法で測定する。この系にヒト耳下腺唾液を添加することにより上清中カルシウム濃度が増加するが,従来の方法では結果に再現性が得られず,定量化できなかった。 (1)使用する溶液中の溶存気体を窒素ガスに置換する,(2)カルシウム溶液として,CaCl_2をイミダゾール緩衝液に溶解したものを使用する,(3)イミダゾール緩衝液の濃度は125mMとする,という条件を設定した結果,従来の方法に比べて,測定感度を1.6倍にあげ,変動係数を1/25に下げることができた。最も効果的であった改善方法は(1)使用する溶液中の溶存気体を窒素ガスに置換することで,溶液のpHが安定したためリン酸カルシウムの結晶析出量に再現性が得られたと考えられる。 次年度は,スタセリン,ヒスタチン,プロリン・リッチ・プロテイン(PRPs)の分離,精製を行い,確立した定量法を用いて,分離した唾液タンパクの性状を検討する。
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Research Products
(1 results)