1999 Fiscal Year Annual Research Report
アルケニルホスホナートを捕捉剤とする炭素及び窒素求核剤の反応開発
Project/Area Number |
11877372
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
富岡 清 京都大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (50114575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 康夫 京都大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90243039)
飯田 彰 京都大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (40202816)
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Keywords | アルケニルホスホナート / 炭索求核剤 / 窒素求核剤 / 共役付加反応 / 脱水素反応 / 環化反応 / 共役付加環化反応 / ダブルマイケル反応 |
Research Abstract |
α,β一不飽和カルボニル化合物に対する有機金属化合物及びヘテロ原子求核剤の共役付加反応は有機化合物の骨格形成の根幹をなす炭素ー炭素結合や炭素ーへテロ原子結合の形成法として極めて重要であり汎用されてきた。一方、アルケニルホスホナートは不飽和カルボニル化合物と同様に共役付加反応における捕捉剤の一つであるが、その反応特性の理解、その特性を生かした合成化学的利用が未だ不充分である。更に、ホスホナートがエステル基のイソスターである観点からもその化学が重要である。本研究の目的はアルケニルホスホナートに対する炭素求核剤及び窒素求核剤の反応特性の理解の深化とその特性を利用した新規合成反応の開発である。 本年度の研究でプロペニルホスホナートに対するリチウムアミドの反応では予測通り1,4-付加、α-脱プロトン化、β-脱プロトン化のいずれもが生じることが分かった。速度論的にはα-脱プロトン化、熱力学的にはβ-脱プロトン化が進行することも明らかにした。さらに、α-脱プロトン化したプロペニルホスホナートは容易に分子間での共役付加反応が進行する事も明らかにした。 一方、フエニルリチウム、ナフチルリチウム等のアリールリチウムがプロペニルホスホナートに共役付加することを明らかにした。本反応も容易に分子間での共役付加反応が進行した。 これらの反応を分子内環化反応に応用した。リチウムアミドを用いた場合α-脱プロトン化後、分子内共役付加が進行して生成するオレフィン環化体のみが選択的に高収率で得られた。一方、フェニルリチウムを用いた場合、ダブルマイケル付加環化体とオレフィン環化体の混合物が得られることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Tomioka: "Enantioselective Conjugate Addition of Organometallic Reagents to Cycloalkenones by The Aid of Chiral Lactam-Phosphine Ligand"Heterocycles. 53・1. 95-98 (2000)
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[Publications] Y.Nagaoka: "Cyclization of α,β,ψ,ω,-unsaturated bisphosphonates using organolithium-initiated conjugate addition-Michael tandem reaction"Org.Lett.. 1・9. 1467-1469 (1999)
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[Publications] K.Tomioka: "Fomal Asymmetric Synthesis of Cholesterol Absorption Inhibitor Bearing 2-Azaspiro[3.5]nonan-1-one Moiety"J.Org.Chem.. 64・25. 9282-9285 (1999)
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[Publications] K.Tomioka: "Studies Aimed at Enhancement of Reactivity and Enantioselectivity of a Lithium Ester Enolate Using a Tridentate Chiral Lithium Amide"Tetrahedron. 55・37. 11219-11228 (1999)
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[Publications] K.Tomioka: "Efficient Cyclization of ω-Oxo-α,β-Unsaturated Esters Using Lithium Thiolate-Initiated Michael-Aldol Tandem Reaction"Tetrahedron Lett.. 40・38. 6979-6982 (1999)
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[Publications] K.Tomioka: "The Conjugate Addition-Aldol Tandem Reaction of α,β-Unsaturated Esters Catalyzed By Lithium Benzenethiolate"Tetrahedron Lett.. 40・8. 1509-1512 (1999)