1999 Fiscal Year Annual Research Report
酸化的ストレスによる糖尿病合併症誘発因子の発現誘導と病態モデルでの解析
Project/Area Number |
11877415
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
矢部 千尋 (西村 千尋) 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (70150571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 和実 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60305571)
西中 徹 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (90295642)
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Keywords | 酸化的ストレス / 高血糖 / cDNA macroarray / aldose reductase / H_2O_2 / MAP kinase |
Research Abstract |
1)酸化的ストレス負荷マウス心臓でのAR及び心機能変化に関わる遺伝子発現の検討 本年度は酸化的ストレス亢進につながる高血糖誘発下のマウス心組織における遺伝子発現の動態をcDNAmacroarrayを用いて広範囲に解析した.STZのを静脈内投与により7週齢のマウスに高血糖を誘発して3週間後の心臓よりtotal RNAを抽出し、cDNA macroarrayとNorthern blot解析により遺伝子発現の動態を対照と比較した.その結果aldose reductase(AR)の発現上昇を認めるとともに、fetal myosin alkali light chainおよびglutathione peroxidaseの発現上昇が検出された. 2)酸化的ストレスによるAR遺伝子発現誘導機構の検討 ラット血管平滑筋細胞株A7r5に100μMのH_2O_2を負荷するとARmRNAの上昇が認められた.この変化はEGF receptor kinaseの選択的阻害剤tyrphostin AG1478によって抑制された.一方H_2O_2によりMAP kinaseファミリーの一つであるERKが活性化され、さらにERKの一つ上流のkinaseであるMEKの阻害剤PD98059によってARのH_2O_2による発現上昇は抑制された.Tyrphostin AG1478によりH_2O_2によるERKの活性化も阻害され、またEGF単独刺激によってもARの発現誘導ならびにERKの活性化が認められたことから、H_2O_2によるAR遺伝子活性化にはEGF受容体が関与しており、そのシグナルは引き続きMAP kinaseのERKを介して伝達される可能性が考えられた.
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