2001 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症児の言語発達とコミュニケーション-音声分析法による言語・感情の変化-
Project/Area Number |
11877424
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
竹田 千佐子 福井医科大学, 医学部, 助教授 (10148273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 高幸 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (10115298)
長谷川 智子 福井医科大学, 医学部, 助手 (60303369)
月田 佳寿美 福井医科大学, 医学部, 助手 (50303368)
浅本 憲 福井医科大学, 医学部, 助教授 (80184159)
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Keywords | 自閉症児 / 言語障害 / 音声 / 構音障害 / 周波数 / 発音 / 単語発声の変化率 |
Research Abstract |
自閉症児おける中心的な異常である言語障害について、14名の自閉症児と対照群として健常児16名を対象に音響的検討を行った結果、自閉症児群の方が「基本周波数の平均」「単語発声における変化率」の値が高い結果となった(Mann WhitneyのU検定:統計ソフトS:PSS Ver10.J)。これは、自閉症児が声の高さを調節する声帯運動や、呼気を声の音源に変換する働きを持つ発声発語器管の協調運動を苦手としていることに起因していると考えられる。 この結果を基に、呼吸訓練をすることが「単語発声時の音のエネルギー」や「第一声の発声の強さ」を調整することにつながり、自閉症児の発声改善になるのではないかと考えたが、動きの激しい自閉症児に呼吸訓練を適応するまでには至らず、初期計画を実現することはできなかった。今後の課題としては、この呼吸訓練の実施を検討することが残されている。そこで、リラックス効果に用いられているアロマセラピーを利用し、安定した環境の基で、しかも言語領域に影響する「香り」を用いることが、コミュニケーションの障害を特徴とする自閉症児の言語異常の改善、自閉症児以外の失語症のリハビリテーションに活用できるのではないかと考えている。 今後「香り」が自律神経・中枢神経に与える影響を科学的に証明していくことと、言語獲得に関する「香り」の影響を明らかにし、「香り」を用いた言語獲得による言語によるコミュニケーション発達プロセスを追究していきたい。
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