1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11877429
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
下平 唯子 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 講師 (70259141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高石 純子 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 助手 (50289972)
飯田 恭子 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 教授 (80289967)
岡部 聰子 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 教授 (60112554)
神保 会里 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 助手 (90269514)
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Keywords | 山谷 / 路上生活者 / 健康観 / 保健行動 / GHQ(一般健康調査質問紙) |
Research Abstract |
1.国内外の文献検討の結果 わが国のホームレスに関する研究は始まったばかりで実態調査が数件あるのみである。アメリカでは、ホームレスの生きられた体験というテーマで現象学的研究方法を用いた報告がされ拒絶、不確かさ、社会的孤立という3つの概念が抽出されている。文化・宗教・社会的背景が異なる日本の路上生活者にその概念が応用できるかについては、わが国でも路上生活者の体験の意味を問うような研究が検討されねばならないだろう。 2.地区踏査の結果 食生活について:山谷には18のボランティア団体が活動しており、それぞれの趣旨のもとに炊き出しを実施している。したがって路上生活者は、毎日どこかで食事をとることはできている。食事の摂取量・回数ではなく栄養バランスの質の問題が残る。自炊の場合は、インスタントラーメンが多く経済的余裕がある時は卵・野菜を追加している。 路上生活者にとって自立とは:墨田川テラスのブルーシート小屋生活者にとっては「行政の援助を受けず生活していることが自立であり、今の生活に満足している」という声があった。「一月4,000〜5,000円で誰にも気兼ねなく生活できるのは最高」と言い、墨田川テラスで堂々と生活できるようになるための認識の変化には数年かかるという。 3.健康観・保健行動に関する面接ガイドの作成について 文献・地区踏査・聴き取りの結果より、保健行動の実態を明確にするためのガイドラインを作成した。路上生活者の健康観については、今回はGHQを使うこととした。 次年度はこれらの面接ガイドを用いて半構成的面接を実施する予定である。
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