2000 Fiscal Year Annual Research Report
二次元スケールを用いた家族システムとケア行動のアセスメントツールの開発
Project/Area Number |
11877433
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉下 知子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60010063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三橋 邦江 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00302662)
法橋 尚宏 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60251229)
林 邦彦 群馬大学, 医学部, 助教授 (80282408)
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Keywords | 家族 / 尺度 / 育児 |
Research Abstract |
本研究の目的は、家族システムとケア行動を二次元スケール上にケア行動項目毎に表示するツールを開発することである.出産後の家族を対象に、母親の育児生活負担感と家族サポートをアセスメントする『試作二次元ツール』を開発した. I.測定項目作成および妥当性・信頼性の検討: 平成12年2月〜7月に東京都内のA大学病院およびB公立病院で産後1か月健診等を受診した褥婦158名を対象に質問紙調査を実施した(回収率59.5%).回答分布,因子分析,Cronbach's α等の検討から、「育児生活負担感」「家族サポート」を測定する13項目を作成し、単次元尺度としての妥当性・信頼性を確認した.これより、育児生活行動の各項目毎に「家族サポート(x)」と「育児生活負担感(y)」を(x,y)座標上にとり家族機能をアセスメントする『試作二次元ツール』を開発した. II.試作二次元ツールによるアセスメントの検討: 平成12年7月〜12月に東京都内のA大学病院およびC総合病院で産後1週間〜1か月時健診等を受診した褥婦25名(初産婦16名,経産婦9名)を対象に、試作二次元ツールを用いたアセスメントを実施し、その回答理由と生活状況に関するインタビュー(または参加観察)および質問紙調査を実施した.事例検討の結果から、試作二次元ツールは、個別の育児生活状況を視覚的に把握することができ、出産後の母親の育児生活負担感と家族サポートをアセスメントするツールとして有用であることが示された. III.パソコンプログラムの開発: パソコン上で二次元イメージに回答できるシステムをJavaによるプログラミングで開発した.これにより、回答者は容易に答えることができ、集計も同時にできるようになった.また、Internetを介して遠隔地からでも回答でき、その利用範囲が拡大できた.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 杉下知子: "日本の家族看護学の現状"インターナショナルナーシングレビュー. 23(2). 26-30 (2000)
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[Publications] 杉下知子: "家族の機能と健康を考える-家族システムとして考える視点-"健康管理. 539. 4-8 (1999)
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[Publications] L.M.Wright,杉下知子,大脇万起子,前原(三橋)邦江: "家族看護の実践をいかに支えるか-臨床ナースが患者・家族から情報収集をいかに行うか-"看護展望. 26(4). 17-24 (2001)
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[Publications] 法橋尚宏,前田美穂,杉下知子: "FFFS(Feetham家族機能調査)日本語版の開発とその有効性の検討"家族看護学研究. 6(1). 2-10 (2000)
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[Publications] 前原(三橋)邦江,杉下知子: "第5回国際家族看護学会報告-家族看護が目指すものを改めて考える"看護. 52(13). 118-121 (2000)
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[Publications] 杉下知子: "家族看護学入門"メヂカルフレンド社. 250 (2000)