1999 Fiscal Year Annual Research Report
リサイクルウールによる住環境の断熱・環境調湿材の開発
Project/Area Number |
11878017
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Research Institution | Niigata Women's College |
Principal Investigator |
菅井 清美 県立新潟女子短期大学, 生活科学科, 教授 (60150299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 明浩 県立新潟女子短期大学, 生活科学科, 助教授 (80230340)
橘 文夫 県立新潟女子短期大学, 国際教養学科, 教授 (60092706)
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Keywords | リサイクルウール / 再生ウール / 断熱性 / 環境調湿材 |
Research Abstract |
地球環境保護と資源の有効活用のために、資源の再利用を目指して様々な研究や技術開発が進められている。ウールマークカンパニーらによるウールエコサイクル事業では、1998年には492,000着(スーツ換算)がリサイクルとして回収され、産業資材分野でのリサイクルウールの有効活用が検討されている。ウールはその物理構造特性のために独自の捲縮を生じ、含気率が高く、高断熱性能をもつ。また、その構造内に親水性基を含み吸湿性能が高く、環境条件によって吸・脱湿を繰り返すことができるために、環境調湿材としての機能を果たすことができる。さらにその構造特性からくる難燃性など建築資材として期待される特性であり、実際のリサイクルウールを用いて基礎的性能を測定した。ウール再生には伝統的な反毛と粉砕方式があるが、回収されたウール製品を裁断・反毛工程にかけ得られた繊維状製品を試料として、リサイクルウールの吸湿量を重量法により測定した。本試料は東亜紡織(株)から提供を受けたものである。壁材としてもちいられているウレタンフォーム、押し出し発泡ポリスチレンも比較のために用いた。20℃65%の環境条件での測定結果、発泡ポリスチレンに吸湿は認められなかったが、リサイクルウールの吸湿量は約7.8%、ウレタンフォーム約1.8%であった。比較測定した従来の断熱材と同様の形態にした場合にはリサイクルウール重量がはるかに増加して吸湿性が多くなり、環境調湿材としての機能を果たすことが確認された。また、建材壁材としての熱・水分特性を実験によって把握するために、数種類の試料で構成される仕様の異なる外壁の作成を検討しており、次年度にこれらの性能評価を行う予定である。
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Research Products
(1 results)