2000 Fiscal Year Annual Research Report
病態食の長期保管貯蔵を目的とした調理システムの開発と安全管理手法の研究
Project/Area Number |
11878021
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Research Institution | Hokkaido Bunkyo University Junior College |
Principal Investigator |
佐藤 節子 北海道文教短期大学, 食物栄養学科, 助教授 (70279470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 勇夫 北海道文教短期大学, 食物栄養学科, 教授 (30310105)
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Keywords | 低酸素包装 / Reduced Oxygen Packaging / クックチル / HACCP / 治療食 / 氷水冷却 |
Research Abstract |
平成11年度の研究成果に基づき、次の2点について実験・開発を行った. 1.平成11年度の実験では、治療食22種類について、加熱調理後真空包装機を使用し脱気度60%の低酸素状態で密封包装を行ない、その後氷水中で3℃以下まで冷却した後、温度管理した冷蔵庫で4週間までの安全な長期保存に成功した.これら一連の工程中、真空包装機による密封包装では、食品が通常の沸点より低い温度で沸騰するため、包装中にスープの袋が破裂し、食品を破棄しなければならないなどの不都合が発生したため、本研究が対象とする病院、老人福祉施設の給食における実用化が困難と判断された.このため平成12年度では、真空包装機に替わる包装機械として足踏式シーラーを導入し、手動で疑似的な低酸素状態を作り出して密封包装を行ったところ、食品が高温の状態であっても袋が破裂することなく、完全に密封できた.さらにこの方法による低酸素包装が、4週間の安全な長期保存を可能とするかどうかを調査するため、平成11年度に実験した治療食22種類の中から6種類を抽出し、包装工程以外はすべて前回と同様の条件で実験したところ、安全であることが確認された.これにより、病院、老人福祉施設における治療食の長期保存に展望が得られた. 2.本研究の第二の着目点は、既存のクックチル調理方式においては、冷却工程に使用する機械の導入コストおよびランニングコストが高額であるという問題を解決することであった.平成11年度から外部の研究協力者との連携により推進されて来た簡易氷水冷却機の開発は、冷凍機の中に密閉できる水槽を組み込むことによって過冷却状態を作り出し、さらに撹拌子をつけて水流を発生させ、高温の食品の冷却を促進するという解決方法を生み出した.これは既存のブラストチラーの1/3程度の価格で導入でき、ランニングコストは月間5000円程度と推定される.なお、本冷却機は、過冷却状態より晶氷を作り出すことができるため、晶氷冷却機としてその構造を特許申請した.
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