1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11878022
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 薫 三重大学, 生物資源学部, 教授 (00189979)
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Keywords | 縄文期 / 弥生期 / 遺跡 / 伊勢平野周辺 / 数値地図 |
Research Abstract |
本研究では、今まで三重県内100ヶ所で発表された縄文・弥生時代の遺跡分布資料を基に標高、傾斜、地質、土壌等の数値地図とGISを用いて解析を行った。その結果から、三重県の古代の環境変化と古代遺跡の位置との関係、さらに、古代の人々がどの生活をしていたかを考察した。 解析結果は以下のとおりである: ・縄文・弥生時代の海岸線は、それぞれ現在の海抜高度9m、2m付近であったと考えられ,当時の人々は海岸線沿いや、河川沿い、河口部に集落を形成することが多かった。 ・縄文時代の人々は、緩やかな傾斜のある小高い位置に集落を形成していた。一方、弥生時代の人々は平坦に近いほとんど傾斜のないところに集落を形成していた。これは、弥生時代の農耕をもとにした生活が定着したと考えられる。 ・弥生時代の人々は河川に近い低地や三角州や水田に都合の良い場所(土壌、水)を集落の位置として選んでいたと解った。これは、弥生時代の人々は、河川の水を利用し、灌漑などの技術を持ち、水稲耕作をもとに生活を行っていたとわかった。 この解析結果をもとに、縄文時代から弥生時代への生活基盤変化と気候・環境変動との関係をさらに深く調べる必要がある。
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