1999 Fiscal Year Annual Research Report
汚染データ配信方式によるディジタルコンテンツの知的財産権保護
Project/Area Number |
11878065
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
西垣 正勝 静岡大学, 情報学部, 講師 (20283335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 岳弘 静岡大学, 情報学部, 助手 (70293595)
林部 敬吉 静岡大学, 情報学部, 教授 (20023624)
曽我 正和 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (20283327)
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Keywords | 情報セキュリティ / 不正コピー防止 / 暗号 / 改竄検知 / コンテンツの汚染 / 汚染画像 / 視覚特性 / 混色実験 |
Research Abstract |
本研究では、ディジタル画像の一部を意図的に破壊した「汚染画像」を基盤とするセキュア流通システムの構築を目指している。汚染画像には、汚染により情報が劣化しているにも関わらず、人間の目にはオリジナルなデータとして知覚されるという「からくり」が必要となる。本年度は、この「からくり」を実現する上で重要となる人間の視覚特性を把握するための第一段階として、明度の異なる二枚の画像を高速に交互表示させ、それを被験者がどれくらいの明度の画像として知覚するかを測る実験を行なった。 汚染画像としては、6段階に明度の異なるモノクロ画像を使用した。この中から2枚を汚染画像1、汚染画像2として選び、この2枚を100ヘルツのリフレッシュレートで交互表示する。6段階の画像から2枚を選ぶ組み合わせは全部で15通り存在する。すべての場合において、精神物理的測定法の中の調整法により被験者の知覚する明度を測定した。測定の結果、汚染画像1と2の明度差が大きいほど、高速交互表示された画像は2枚の汚染画像の明度の中間値より明るく知覚される傾向にあることが分かった。これは、明度の高い画像の影響が残像効果により現れるだと推測される。 なお、本実験は、光の3原色に対する混色実験といえる。従来から色の3原色に対する混色実験は数多く行なわれているが、光の3原色に対する実験は他に類を見ない。 また、これと平行して、プログラムに汚染を施す方式についても検討した。この場合にはプログラムの汚染を除去するための情報が必要となるが、この情報をユーザーのICカードからCPUに安全に送る方法について研究した。 更に画像の汚染をハードウェア的に除去する方式についても検討した。
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[Publications] 小澤,西垣,曽我,田窪: "情報セキュリティに関する一考察"電子情報通信学会技術研究報告. COMP99-22. 1-7 (1999)
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[Publications] 井熊,西垣,曽我,田窪: "ユーザに対して秘匿される秘密情報の受け渡し"第59回情報処理学会全国大会講演論文集. 2G-6 (1999)
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[Publications] 井熊,西垣,曽我,田窪: "ICカードからCPUへの秘密情報の送信"コンピュータセキュリティシンポジウム'99論文集. 49-54 (1999)
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[Publications] 小澤,西垣,曽我,田窪: "動的復号型暗号方式による画像コンテンツの不正コピー防止"情報処理学会研究報告. (2000年3月21日発表予定). (2000)
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[Publications] 可部,曽我,西垣,田窪: "ホームページ改竄パトロール方式"情報処理学会研究報告. (2000年3月22日発表予定). (2000)