2000 Fiscal Year Annual Research Report
汚染データ配信方式によるディジタルコンテンツの知的財産権保護
Project/Area Number |
11878065
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
西垣 正勝 静岡大学, 情報学部, 講師 (20283335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 岳弘 静岡大学, 情報学部, 助手 (70293595)
林部 敬吉 静岡大学, 情報学部, 教授 (20023624)
曽我 正和 岩手県立大学, ソフトーウェア情報学部, 教授 (20283327)
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Keywords | 情報ヤキュリティ / 不正コピー防止 / 暗号 / 改竄検知 / コンテンツの汚染 / 汚染画像 / 視覚特性 / 混色実験 |
Research Abstract |
本研究では、ディジタル画像の一部を意図的に破壊した「汚染画像」を基盤とするセキュア流通システムの構築を目指している。汚染画像には、汚染により情報が劣化しているにも関わらず、人間の目にはオリジナルなデータとして知覚されるという「からくり」が必要となる。本年度は、この「からくり」を実現する上で重要となる人間の視覚特性を把握するための第二段階として、色相・彩度・明度の異なる二枚の画像を高速に交互表示させ、それを被験者がどのような色の画像として知覚するかを測る実験を行なった。従来、高リフレッシュレートのディスプレイが存在しなかったため、ディスプレイにおいて色の経時加法混色が一起こるかどうかの実験は行なわれていなかった まず、実験に使用するCRTディスプレイの非線形特性(ガンマ値)を計測した。昨年度に行なった実験において、高速交互表示された画像は2枚の汚染画像の明度の中間値より明るく知覚される傾向があるという知見が得られていたが、その理由がディスプレイの非線形特性に起因することが確かめられた。これにより、ガンマ値を考慮しさえすればディスプレイにおいても色の経時加法混色が起こるのではないかという推測を得た。そこで、引続き、色相・彩度・明度の異なる二枚の画像を高速に交互表示し、それが被験者にどのような色として知覚されかを測定した。実験結果は、二枚の画像をガンマ値を考慮して荷重平均をとった値とほぼ一致した。 また、これと並行して、プログラムに汚染を施す方式についても検討した。この場合にはプログラムの汚染を除去するための情報が必要となるが、この情報を計算機に動的に再構成する方法について研究した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 西垣,曽我,井熊,田窪: "データのスクラッチングと動的復元によるバイナリ-プログラムの不正コピー防止方式"電子情報通信学会論文誌A. J83-A・11. 1288-1299 (2000)
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[Publications] 中村,西垣,曽我,田窪: "プログラムの冗長化に関する検討"情報処理学会研究報告. 2000-CSEC-10-7. 41-48 (2000)
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[Publications] 塩田,西垣,曽我,田窪,林部: "汚染データ配信方式による画像型ディジタルゴンテンツの不正コピー防止:基礎実験"2000年コンピュータヤキュリティシンポジウム論文集. 85-90 (2000)
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[Publications] 井熊,西垣,曽我,田窪: "再構成可能計算機を用いた不正コピーの防止"情報処理学会研究報告. 2001-CSEC-12-16. 91-96 (2001)
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[Publications] 松下,西垣,曽我,田窪: "賞金稼ぎの仕組みを利用したディジタル著作物の監視方式"情報処理学会第62回全国大会論文集. (発表予定). (2001)