2000 Fiscal Year Annual Research Report
火山周辺の地表の断裂系と群発地震による地下の破壊面の対比研究
Project/Area Number |
11878073
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田口 幸洋 福岡大学, 理学部, 教授 (00108771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 靖明 京都大学, 地球熱学研究施設・火山研究センター, 助教授 (40025466)
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Keywords | 断層 / 地震 / 地熱 / 変質作用 / 水 |
Research Abstract |
今回新たに再度リニアメントの抽出を行なった。その結果,現在まで報告されているEW系の他に,従来報告されていないNW系やNE系のものも明かとなった。また,これらのリニアメントに対応する小断層の存在も明らかになってきた.また,これらの断層に伴って上昇した熱水による変質鉱物は,カオリナイトやアルーナイトなどが主で,酸性の熱水が関与したものである.また,これらの変質鉱物はその組み合わせから,変質帯を形成する温度が低いことから,その時の断層の深度はほとんどの場合地表に近いものであったことを示唆している.また,それらが形成された時期は,火山層序学的に約50万年以降のものが多いと推定される. 群発地震の発震機構は、典型的なストライクスリップ型で、東西圧縮によるNW系の横ズレ断層の活動によるものである。大岳-八丁原地域で起こる群発地震は直径約4kmの範囲に集中しており,またそのVp/Vs比は九重硫黄山でおこるものより小さく,また比較的浅所(1500m以浅)にそのようなものが多いことが分かってきた.すなわち,地熱地域ではより浅部で水の影響を受けた地震が発生し,またその影響はNW系およびNE系の断層に沿って顕著である.しかしながら,地表で認められる断層はこれに反し,東西系が多い.これは最大主応力軸が地下深部では広域応力場σ1の方向,すなわち東西方向にあるが,地表付近では広域応力場のσ1の影響が小さくなり,垂直方向がσ1となり東西方向がσ2になるためと考えられる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 吉川美由紀,須藤靖明,筒井智樹,田口幸洋: "九重火山周辺部地熱地域における地震活動"京大防災研年報. 43巻B1号. 37-46 (2000)
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[Publications] 田中麻貴,須藤靖明,筒井智樹: "九重火山で観測されたS波の先行相"火山. 45巻・2号. 65-73 (2000)