2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11878080
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小林 光征 信州大学, 工学部, 教授 (80021020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井川 宣治 モブロン設計事務所, 代表取締役(研究職)
牛 立斌 信州大学, 工学部, 助手 (20262694)
中村 正行 信州大学, 工学部, 助教授 (60207917)
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Keywords | エネルギー / 熱磁気モーター / 感温磁性材料 / 磁気回路 / 磁場 / キュリー温度 / 低温熱源 / 温排水 |
Research Abstract |
熱磁気モーターとは、比較的低温度にキュリー点を有する磁性材料を用いてその磁気特性の温度依存性を利用し、磁気エネルギーと熱エネルギーを組み合わせて機械エネルギーに変換する装置である。本研究では、これまで開発した試作機の問題点を考慮したうえで、より強力な磁場を発生する磁気回路を設計し、回転軸に複数枚の回転子を取り付けた連装型熱磁気モーターを試作した。また、感温磁性材料の形状は、回転子装着時の機械的ガタを減少させること及び温度応答性が向上するように設計した。 本試作機を用いて、モーターの回転に適切な加熱位置と冷却領域を実験によって調査した。また、加熱温度とモーターの回転数の関係を実験によって調査した。さらに、加熱温度60℃および40℃における回転子1枚および2枚の場合について、モーターの出力を測定した。このとき温水の温度は、温泉の源泉とその捨て湯を想定したものであり、冷却水の温度はすべての実験で11℃であった。 本研究で得られた結果は以下のとおりである。 (1)加熱位置は磁極の上部かつ磁性体片先端部分であり、冷却領域は磁場が十分減衰した領域で行うことがより効果的であった。 (2)加熱温度が高いほどモーターの回転数が増加した。 (3)回転子を2枚とした場合のモーターの出力は0.7Wで、1枚のときの出力0.36Wに対して約1.8倍となり、回転子の枚数を増やすことが出力向上に有効であることが明らかになった。本研究におけるモーターの出力が回転子の枚数に比例しなかった理由は、各磁気回路の相互作用による磁気特性の低下によるものと思われる。
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