1999 Fiscal Year Annual Research Report
分割・加算機能付与による放射線検出器の高効率化の検証
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11878085
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河出 清 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70023215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 理尋 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (30262885)
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Keywords | 井戸型Ge検出器 / 応答関数 / 検出効率 / モンテカルロシミュレーション(EGS4) / 単色γ線源 |
Research Abstract |
今年度は、既存の井戸型Ge検出器を用いて測定位置による検出効率の向上度及び検出効率を決定した。一方、モンテカルロシミュレーションを用いてγ線、電子線の応答関数を計算し、検出器開発の概念設計を始めた。 (1) 検出効率の位置依存性を見るために単色γ線源(^<170>Tm、^<198>Au、^<97g>Nb、^<142>Pr等、80〜1600keV)を日本原子力研究所FNS及び名古屋大学ヴァンデグラーフ加速器の中性子照射によって作成・測定した。検出器の表面から5cm、検出器表面及び井戸の中での検出効率はおよそ1:6.6:40となった。エネルギーが500keVより小さくなるとその比はさらに増加し100keVでは1:7.5:50程度になることがわかった。この比を利用して井戸の中での検出効率を1.5%の精度で決定した。 (2) シミュレーションコードEGS4を用いγ線及び電子線の応答関数の計算を行った。特に電子線では井戸内での検出効率は2台のGe検出器を密着させたことに相当する検出効率を持つことがわかった。これは、γ線検出器としてばかりでなくβ線検出器としての井戸型Ge検出器の有効性を示すものであり、今後の検出器開発に大きな指針を得た。
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