1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11878086
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西川 雅弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50029287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 裕介 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70294048)
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Keywords | マイクロプローブ / 測定分解能 / 鋳造鋼 / 鍛造鋼 / 圧電素子 / 超音波 / SH波 / 表面波 |
Research Abstract |
ステンレス鋳鋼はフェライト相とオーステナイト相が網目状に分布している。そのため、ステンレス鋳鋼中での超音波の伝播は複雑であり、位置分解能が高い受信素子の開発が必要であった。このような背景から、位置分解能が高いマイクロプローブを2種類開発した。各々のプローブは、コアの形状からC型とM型と呼んでいる。C型は外部から励磁して受信するタイプである。C型を改良したM型は自己励磁タイプであり、非常に小さい受信素子となっている。 まず検出原理を明らかにするため電磁場解析を行った。その結果、M型コアの中心部にある検出コイルでSH波の位相が1周期変化する間に2回磁束密度が最大となり、磁束の向きが逆になっていることが確かめられた。この磁束の変化により誘導起電力が生じ、出力信号として検出できる。 受信波の測定には、試験片に鍛造鋼、鋳造鋼を選び、送信器に圧電素子を使った。鍛造鋼の場合、第1波目の受信波形は十分な出力で受信されており、SN比も非常に良いことがわかった。また送受信距離と第1波目の到達時間の関係から、超音波の音速が約3200m/sとなった。この値は、鍛造鋼としては妥当な値である。鋳造鋼の場合も鍛造鋼と同様に受信波を測定できることが確認できた。M型マイクロプローブの位置分解能は、試験片に幅3mm深さ10mmのスリットを開け、その上をM型マイクロプローブを掃引することで調べた。その結果、スリットの端から200μm移動する間にSH波を受信することができなくなった。このことから位置分解能が200μmと高い精度をもつことがわかった。
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