1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11878092
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
占部 城太郎 京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (50250163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 哲也 京都大学, 生態学研究センター, 助手 (40025440)
中西 正巳 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (60025434)
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Keywords | 琵琶湖 / ベントス / ヨコエビ / 貧毛類 / 溶存酸素 / プランクトン / 分解 / 底生動物 |
Research Abstract |
湖沼は、集水域からの生活・産業排水の受け皿として扱われて来た。しかし、生物生産や集水域から流入する有機物の増加が、湖沼自身がもつ有機物の分解-除去能力を越えれば、湖底が嫌気的になり底生生物が死滅することになる。もし、底生生物が有機物の消費・分解に重要な役割を担っているなら、湖底の嫌気化は有機物の分解効率を著しく低下させることになる。このような「自家中毒」を回避するためには、湖沼自身がもつ有機物の分解-除去能力のポテンシャルを見極めることが重要となる。本研究は、深水層におけるプランクトンや底生生物が有機物消費にどのように関わっているかを明らかにし、琵琶湖における有機物分解ポテンシャルの把握をすることを目的としている。本年度は、これまでに得られている琵琶湖深水層の溶存酸素・栄養塩・沈降速度のデータを解析し、深水層における酸素消費速度を推定した。また、定期的に行っている生物調査から、深水層のプランクトン・底生動物の生物量を把握し、これと代謝実験から得れる呼吸量を用いて深水層の酸素消費に果たすプランクトン・底生動物の役割を解析した。その結果、底生動物の現存量は表水層の動物プランクトンに匹敵すること、また深水層における酸素消費の10〜40%はヨコエビ・貧網類によるものであることが示唆された。
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