1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11878112
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 明人 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60114336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 聡 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (30300966)
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Keywords | X線結晶構造解析 / 膜蛋白 / 結晶化 / 膜輸送 / 薬剤排出 / テトラサイクリン |
Research Abstract |
1、テトラサイクリン排出タンパクの結晶化及び結晶構造解析に向けて、その基盤となる大量産生と大量精製法の条件検討を行った。その結果、1週間ほどの培養〜精製の行程で、30mg程の純化したテトラサイクリン排出タンパクを得る系の確立に成功した。この量は結晶化の実験に用いるには不足は無く、結晶化実験に向け基盤を固めることができた。 2、膜蛋白質の結晶化に於いて最も影響の大きな因子の一つである界面活性剤の選択に関して本年度は、その可溶化力を市販の物ほぼ全てに関してその効果を検討した。約100種類の界面活性剤のうち、ある種の合成リン脂質誘導体が蛋白質を効率よく膜から可溶化し、且つ精製後も蛋白質標品を安定に保つ事を見出した。この界面活性剤で安定化させたテトラサイクリン排出タンパクは水溶液中でも安定で結晶化が起こる一般的な蛋白濃度である10mg/mLもの高濃度でも非特異的会合を起こさない事が分かった。今後、界面活性剤の蛋白質標品の安定化に及ぼす影響をさらに検討する。 3、生物分子工学研究所(BERI)木村能章博士との共同研究により、精製したテトラサイクリン排出タンパク分子を合成リン脂質シートに再構成し、相転移によりシート中のたんぱく質濃度を上昇させる手法で初歩的な2次元結晶化に成功した。このシートの電顕像のフーリエ変換像には分子配列に規則性があることを示すピークが認められた。 4、3次元結晶化に関しては、市販の結晶化条件スクリーニングキットを用いて初歩的なスクリーニングを行った。今後リン脂質の系に再構成する条件検討の結果を応用し、Lipid cubic phase 法による結晶化を行って行く予定である。
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