1999 Fiscal Year Annual Research Report
高度好熱菌遺伝子操作のための薬剤耐性遺伝子の耐熱化
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11878118
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
倉光 成紀 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60153368)
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Keywords | 高度好熱菌 / Thermus thermophilus HB8 / 遺伝子操作 / 薬剤耐性遺伝子 / ランダム変異 / カナマイシン / 耐熱化酵素 / 遺伝子操作 |
Research Abstract |
これまでに我々のグループでは,高度好熱菌Thermus thermophilus HB8のDNA修復系などの研究を行ってきた。しかし,80℃で使用可能な耐熱性の薬剤耐性遺伝子が存在しないために,遺伝子操作が不便であった。これまでは,例えば,ロイシン合成系の遺伝子(leuB)を欠失させた栄養要求性好熱菌を利用し,好熱菌体内にleuB遺伝子を持つプラスミドが導入されれば,好熱菌の栄養要求性が相補されるような系を用いてきた。しかし,栄養要求性で選択するための合成培地作りは,通常の培地作りよりも多くの手間や時間を必要とし,しかも,その合成培地での好熱菌の生育速度は遅いためプレートが乾燥してしまうこともある。そこで,高度好熱菌においても,大腸菌と同程度容易に遺伝子操作が行えるようにするために,カナマイシン薬剤耐熱性遺伝子を85℃まで耐熱化した。得られた耐熱性変異型酵素の中から約100個のクローンを選択し,塩基配列を決定した。そらのアミノ酸配列を比較して,置換アミノ残基の中から耐熱化に寄与するいくつかのアミノ酸残基を同定した。さらに,野生型酵素にそれらの変異を導入して,耐熱化に寄与していることを確認した。他の薬剤耐性遺伝子についても耐熱化を行っている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hoseki J.: "Directed Evolution of Thermostable Kanamycin-Resistant Gene Products in an Extremely Thermophilic Bacterium, Thermus thermophilus"J. Biochem.. 126・5. 951-956 (1999)
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[Publications] Nakai T.: "Suructure of Thermus thermophilus HB8 Aspartate Aminotransferase and Its Complex with Maleate"Biochemistry. 38・8. 2413-2424 (1999)
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[Publications] Nakagawa N.: "Crystal Structure of Thermus thermophilus HB8 UvrB Protein, A Key Enzyme of Nucleotide Excision Repair"J. Biochem.,. 126・6. 986-990 (1999)
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[Publications] Sugahara M.: "Crystallization and Preliminary X-ray Crystallography of T. thermophilus MutM Involved in Repairs of Oxidative DNA Damage"J. Biochem.. 127・1. 9-11 (1999)
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[Publications] Kato R.: "Effect of ssDNA and Temperature on Activity of Thermu thermophilus RecA Protein"Eur. J. Biochem.. 259・. 592-601 (1999)
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[Publications] 増井良治,倉光成紀: "好熱菌全ゲノムの配列決定とその意義"蛋白質核酸酵素. 44・2. 165-170 (1999)
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[Publications] 倉光成紀: "実験室の小さな生きものたち"羊土社. 4 (1999)