1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11878126
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
酒井 宏明 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (00272162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
月原 冨武 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00032277)
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Keywords | Importin-β / X線結晶構造解析 / MAD法 |
Research Abstract |
Imoportin-βは細胞質と核の間で核膜孔を通じた分子輸送を担う分子量約9万7千の輸送担体である。核局在化シグナル配列を持つ核蛋白質はimportin-αにより認識され、更にimportin-βと複合体を形成し、3者の複合体として核膜孔へターゲットされる。Importin-β deletion mutant(impβ449)(1-449 残基:分子量約5万)はimportin-αとの結合領域は持たないが、核蛋白質輸送に必須の因子である低分子量GTPase Ran との結合領域、及び核膜孔構成因子との結合領域を持ち、輸送担体として機能する importin-βファミリーに共通の性質である核膜孔の単独通過脳を有する。輸送担体の構造と機能の解明を目的とし impβ449 単独状態のX線結晶構造解析を行った。結晶構造因子の位相決定には Met を SeMet に置換し、Seの異常散乱効果を利用したMAD法により行った。Impβ449は結晶中でダイマーとして存在し、helix-turn-helix 構造を基本モチーフとするHEAT repeat が繰り返し積み重なり、ダイマー全体で巨大な超らせん構造を形成している。このダイマー形成は結晶化促進の要因となったと推察される。Impβ449 は10個のHEAT repeat 構造から成る。超らせん構造がもたらす立体構造の柔軟性がimpβ449がRanや核膜孔構成因子と相互作用するために重要な性質と考えられる。
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